朝日が昇る【SEVENTEEN+1】 (ページ12)

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SC side

番組のカメラがとまり、明日の撮影の打ち合わせをする。お昼のダンス練習からカメラが入るらしい。

JH｢1週間しかないな、頑張るか。｣

SC｢そーだな、｣

セルフカメラで使われるかどうか分からない｢頑張ります｣を撮ると、なぜかどっと疲れが押し寄せてきた。

たった1日の撮影でいろんなことが起こりすぎている。

宿舎に戻るために乗ったバスの中は重苦しい空気で悲惨だった。いくら励ましても、メンバーたちの気持ちは不安でどうすることも出来ない。

SC｢明日からが不安すぎる。｣

『なんでよ！』

SC｢！？｣

『もー、部屋まで暗くして！告白して振られたあとかっつーの、』

ドアを豪快にあけ、ダイニングから漏れだした光が微かに差し込む。Aは、さっきまで俺と同じく傷心していたやつとは思えないくらい明るく笑っていた。

『社長、めっちゃ怒ってたよね。』

ベッドに座っていた俺の横に無理やり座ってくると、彼女はポツリと呟いた。

SC｢指輪まで奪われるとは、な。｣

『私もさっきまで同じこと考えてた。どうせ、指輪がなくなっただけで、不安になってるんでしょ。』

SC｢だけで！って、......そうだけど、｣

いつも指輪を付けていた小指を見つめる。俺にも、こいつにも、そしてメンバーにも全員あの時貰った指輪はもうない。俺たちの方位磁針だった指輪は、誰かの手元で深く眠っているのだ。