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僕はそんなイリアに背を向けると、そのまま走り出した。




「さよなら……イリア」




僕はそう言いながら洞窟に向かう。




「……………チガう」




「違う」




「チガウ」




イリアは顔を伏せたまま呟く。




「……チガウ?、違う?」




僕は思わず足を止めてしまった。




(何だ……?)




そんな僕の背中に、イリアの鋭い声が突き刺さる。




「兄さんはそんなこと言わないよ」




「……!!」




「兄さんは…そんなこと言わないよ。そんな酷いこと言うわけないじゃん」




「だから僕はイリアの思う兄さんじゃない!!僕は都合のいい存在じゃない!!」




僕が声を荒げると、イリアはゆっくりと顔を上げた。




右手にはナイフを構えている。その目は僕を睨みつけていた。




「イリア…?何して…」




「俺の何がいけないの!?俺の何が間違ってるっていうの!」




イリアはそう叫びながら、僕の腹にナイフを突き刺す。

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作者名:あまちゃん | 作成日時:2023年12月6日 7時

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