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(どうしたの、イリア?)
そんな僕を気にも留めず、イリアは言葉を続ける。
まるで自分の都合だけを通そうとしているように。
僕が声をかけても、今度は反応がない。
もしかして、今のイリアには僕の声が届いていないのか?
今まで見たことのなかったイリアの表情。
でもいつまでも自分の意見を押し付けてくるイリアに僕もそろそろ我慢の限界だった。
「僕だって、イリアと離れるのは嫌だよ!…でも、僕は帰らなきゃいけないんだ。母さんを一人になんてできない!」
僕が帰らなければ行けない理由
もうひとつは母さんだ
父さんもいない、そしてイリアも。
僕まで死んでしまったら、母さんは一人になってしまう。
それだけは絶対に避けなければいけない。
僕がそう言っても、イリアは表情一つ変えない。
それどころか、僕の目をジッと見つめている。
「それに分かっていないのはイリアの方じゃないか...!!!さっきから僕の話を聞かないで、自分のことばっかり…。僕は人形じゃないんだ!!自分の意思がある、意思があるんだよ!!」
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作者名:あまちゃん | 作成日時:2023年12月6日 7時