孤独な羊に⬛︎を添えて 4 (ページ3)

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その日、いつも通り完全に日が落ちたころ、ユウは一人で家路につこうとしていた。

「…おいユウ、こんな時間に一人で帰るのは、その、あぶねぇだろ…家に帰るまで、俺が付いて行ってやるよ」

俺は勇気を出して言った。

するとユウはきょとんとした顔をした後、ニコッと笑って俺の手を握ってきた。

どうやら俺の意図は伝わったようだ。

ユウは公園を出る際、俺の手を握ってきた。

小さい手は暖かく、そして柔らかい。

俺はユウの手を握り返し、ユウの歩調に合わせてゆっくりと歩いた。

そして公園を出てから五分ほどたった頃だろうか、ユウが急に足を止めたのだ。

不思議に思いユウの方を見ると、ユウは泣きそうな顔で俺の服の袖を握り締めていた。

さっきまであんなに笑顔だったユウが、今では見る影もない。

「…どうした」

と俺は聞く。

しかしユウは何も答えない。

ただ俺にしがみついてくるだけだった。

「…ランスおにーちゃん…あたま、なでて」

ユウは震える声で言った。

俺は言われた通り、ユウの頭を左手で撫でた。

誰かを殴ってしまう右手で触れるわけにはいかない。

すると、安心したのかユウはまた笑った。

(……こいつやっぱり何かあったのか)

俺はただ黙ってユウの頭を撫で続けた。