孤独な羊にIを添えて 3 (ページ10)

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「んもー！そんなにせかさないでよー！こういう前置きが一番大事なんだから！！」

コラットはぶーぶーと不満げに口を尖らせた。

「んじゃ、いっちょやりますか！」

コラットがそう言うと、ぬいぐるみたちは一斉に動き出した。

(何？何をするつもりなの……)

ユウは不安になって周りを見渡すが、どこにも逃げ場がないように思える。

「さぁ始まりました！Mrーーーコラットの！楽しい楽しいショータイムの時間です！」

コラットは高らかに宣言した。

「二人にはこのくまさんと遊んでもらうよ！それと、君たちが探しているヒントはこの中の誰かが持ってるよ！」

「君たちが先にヒントを見つけられたら君たちの勝ち、君たちがヒントを見つける前にこのくまさんに捕まったら君たちの負け。どう？簡単でしょ？」

コラットの掛け声に合わせ、奥から巨大なテディベアがのそのそと歩いてきた。

その姿は決して可愛らしいものではなく、口元からは鋭利な歯がむき出しになっており、ふわふわの手からも鋭い爪が伸びている。

くまのぬいぐるみは一歩、また一歩と近づいてくる。

その姿は正に、腹を空かせた野生の熊そのものだった。

(逃げなきゃ……！)