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ランスはその本棚が隠し扉だったことに驚き、後ろに倒れこんだ。




本棚はがたんと大きな音を立てると、そのまま横にスライドして行った。




「……もしかして」




ユウがおそるおそる上を見ると、天井にぽっかりと穴が開いていた。




どうやら天井をスライドさせる仕掛けになっていたらしい。




(すごい……)




思わずユウはその技術に感心してしまう。




本棚の裏から現れたのは、南京錠のように正しい数字にそろえると開くようになっている鍵だった。




扉には文字が彫られている。




<暗号を入力してください>




「暗号?」




ランスはがしがしと頭を掻いた。




また大きな壁にぶつかってしまったのだ。




「暗号なんて、何処に…」




「…さっきの絵画の女たちに聞いてみようぜ、彼奴らなら何か知ってるだろ」




「そうだね」




二人はそう言うと絵画が掲げられていた場所まで戻っていった。









「うふふ、やっぱり、こうなると思ってたわ」




赤いドレスを着た絵画はランスを嘲る。




「わかってて言ったのかよ」




「だって、すぐに開けられてしまってはつまらないでしょう?」




どうやら二人が笑っていたのはそういう理由だったみたいだ。




「ったく……んで、アンタら何か知らねぇか?」




「…つまり、もう一つヒントが欲しい、ということかしら」

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作者名:あまちゃん | 作成日時:2023年11月20日 6時

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