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俺はガキの様子をじっと見ていると、俺の腕を掴み、包帯をほどいていく。
「お、おいお前っ何して…」
しかしガキは俺の言葉を無視し、血の滲んだ包帯を解ききると自分の持っていた救急箱から新しい包帯を取り出して俺の腕に巻いていく。
かなり手慣れている様子だった。
そして数分もたたないうちに、ガキは綺麗に包帯を巻き終えた。
唖然とする俺をおいて、ガキは嬉しそうに言う。
「これでいたくないね!」
「…そうだな」
なんだ、ただのお医者さんごっこに付き合わされただけか、と思うと、俺は呆れて返事をした。
、
次の日
俺は特にすることもなく、昨日と同じようにこの公園に足を運んでいた。
昨日と違うのは、公園の時計の針が十五時三十分を指していること。
公園の外では下校中の小学生らが笑いながら歩いている。
その笑い声が自分を嘲笑しているように思えて、いたたまれなくなった俺はそっぽを向いた。
(何考えてんだ俺、思い込みもいいところだぞ)
俺は腕を組み、しばらく寝ようと目を瞑った。
すると誰かがこちらに近づいてくる気配がした。
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作者名:あまちゃん | 作成日時:2023年11月20日 6時