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「…どうしたの?元気、無いみたいだけど」
そう言ってユウは俺の顔を覗き込んできた。
俺は思わず顔を背ける。
すると、ユウはそのまま俺の隣に腰かけた。
「…ユウ…俺…」
まだお前と一緒に居たいんだ。
そう言いかけたところでランスは口を噤んだ。
「…いや、何でもねぇ。気にすんな」
(だめだ、こんなこと言ってもユウを困らせるだけだ)
ふと首に違和感を感じ、首元を見てみると、さっきよりも太く赤い糸が首を絞めつけている。
(……なんだ、この感じ……)
息が詰まりそうな感覚にランスは顔を歪める。
(まるで、自分が自分でなくなっちまうような、…)
得体のしれない感覚にランスの背筋がぞくりとする。
『手を伸ばせ。』
『今ここでユウの首を絞めてしまえば、ずっと一緒に居られる。』
『もう悲しい思いはしなくて済むんだ。』
「―――っ!?」
嘘だ、俺はそんなこと思ってない。
『絶好のチャンスを逃す気か?』
五月蝿い五月蝿い!!
黙ってくれ!!俺はユウを殺すつもりなんて無い!!
「ランスお兄ちゃん」
「本当に、大丈夫なの?」
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作者名:あまちゃん | 作成日時:2023年11月20日 6時