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俺は、ユウのことが心配で仕方がない。
俺が居ない間に何かあったら……
俺はそれが怖いのだ。
ユウについてきたのも、はじめはこれを機にイリアとユウを離したいからであった。
もしイリアがこの世界にいるなら、全力で此岸に帰る手伝いをするし、此岸にいるのであれば、…。
だが、しばらくユウと一緒に居て、俺の考えは変わっていった。
最終的に生きたいのかを決めるのはユウであり、俺がとやかく口出しするようなことでは無い。
これは俺のエゴであり、ユウが必ずしも望んでいることではない。
俺はユウの意志を尊重したいと思っている。
どんな結果になろうと、この思いは変わらない。
彼奴は此岸に帰ることを選んだ。
だから俺の役目は最後までユウのサポートをすること。
ただそれだけ。
それだけなんだ。
「...」
俺は目を閉じる。
すると、頭の中に、生きていたころの記憶が再生されていく。
今こうして思い返してみると、辛いことはたくさんあった。
痛い思いも、数えきれないくらいした。
しかし一生忘れられない出会いもあった。
生きていてよかったと、そう思えた人。
「…本当、お前のお陰だよ、ユウ」
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作者名:あまちゃん | 作成日時:2023年11月20日 6時