孤独な羊にIを添えて 3 (ページ35)

今日:29 hit、昨日:5 hit、合計:565 hit

・ページ35

イリアはひとしきり笑った後再び花に目を落として言った。

その顔はとても嬉しそうで幸せそうだった。

「僕のせいで壊れちゃった、みんな、みんな、みーんな壊れちゃった！！」

「あははははははははははは！！！」

笑いながらイリアはまた花びらをむしり出す。

「おい、やめろって」

ランスはイリアの手を掴んで止めようとするが、イリアは抵抗し、なかなか止めることが出来ない。

(なんだこいつ、なんでこんなに力強いんだよ！？)

しばらく攻防が続いた後、ランスはイリアの手から花を引き離すことに成功した。

しかし今度はその手を掴まれた。

そしていきなり手を引っ張られてバランスを崩すとそのまま床に押し倒される形になった。

(くそっ……！馬鹿力が！！)

ランスはなんとか逃れようともがくが、イリアはそれを許さない。

それどころかさらに力を込めて握ってくる始末だ。

「…綺麗」

「…は？」

「その目、赤くて、綺麗。欲しい」