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ページ26

ユウはそれに微笑み返す。




それは、ランスが今までユウを騙してきた理由に対して、「疑ってごめんね、ありがとう」とでも言うような顔だった。




ランスは目を見開き、ユウを見る。




「ユウ...」




「...そうか、お前は人間の味方をするのか━━━━━━━━━━━━━━━なら、今ここで二人とも消えろ」




「!」




カイリは二人に向かってもう一度剣を振りかぶる。




しかし、ランスは構わず話を続ける。




「...なぁカイリ、お前だって散々こいつに世話になってんだろ、忘れたとは言わせねぇぜ。




いつもうめぇ飯貰って、沢山撫でてもらって、声掛けてもらって、幸せもんじゃねぇか.....こんなに可愛がってもらって、飼い主の顔を忘れたのか?」




「...主?」




カイリは何かを思い出したように、少し動きを止める。




しかし、それは一瞬の事ですぐにまた剣を振りかざした。




(……ダメ!)




ユウは咄嗟にカイリに向かって走り出し、二人の間に割って入った。




それはカイリの剣がユウの頬を掠ったのとほぼ同時の出来事で、ユウの頬の切り傷からはツウッと血が流れ、そのまま後ろへ倒れ込んだ。




(あ……血⋯?)




頬に手を当てると、生暖かいものが手についた。




じわじわと痛みが広がっていく。




「っ!ユウ!!」

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作者名:あまちゃん | 作成日時:2023年11月20日 6時

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