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「見なくても気配でわかる。人間だろう?
ランス、今更何を言っている…何度も言うが、人間は我々にとって害を与える存在だ。
たとえ子供であろうと、数年たてば自分の利益のためならどんな悪行も働くようになる。
今は害のない子供であろうとも、早いうちに処分しておいた方がいい」
「お前も人間ハンターならば、わかるだろう?人間がどんなに恐ろしいものなのか」
カイリはランスの剣を弾くと、そのまま剣を振り上げる。
ランスはすぐさま後ろに飛び退くが、その隙にカイリはユウに向かって走り出していた。
(っ!ユウ!!)
ランスがカイリを止めようとするが、それよりも早くカイリの剣がユウを襲った。
ユウは恐怖で体が動かないのか、その場から一歩も動かずにただじっとカイリの剣を見据えている。
そのとき、ユウとカイリの目が合った。
(…カイリ…黄色い瞳…)
ユウはカイリの瞳を見て、ふとそんなことを考えた。
そして、記憶の断片に何かが引っ掛かった。
(あ……れ?カイリって……どこかで……)
カイリが剣を振り下ろすシーンがスローモーションで動いていく。
(僕が前に飼っていた犬も…カイリだった…白い毛に狼みたいな目つき…黄色い目…もしかして…あの…)
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作者名:あまちゃん | 作成日時:2023年11月20日 6時