・ ページ3
一方は紫のドレスを、もう一方は赤いドレスを着ている。
どちらとも同じような顔をしており、まるで双子のようだ。
「あらお姉さま、生者といえば、この階に以前生者が残した書記が…」
「あの絵画、もしかしたら書記のありかを知ってるかもしれねぇな」
ランスは二枚の絵画に向かって歩いていく。
「おい、あんたら」
ランスが話しかけると、絵画は楽しそうに言った。
「あら、ごきげんよう」
「あら、ごきげんよう」
「なぁ、書記のありかを知ってるだろ?教えてくれないか?」
しかし絵画達はくすくすと笑うばかりである。
「お姉さま、教えてさしあげましょうよ」
「ええそうね、私達も退屈してたしちょうどいいわ」
そういって赤いドレスを着た絵画は青い目を怪しく光らせながら喋り始めた。
「ただ教えるだけではつまらないから、一つゲームをしましょうよ」
「ゲーム?」
ランスが聞き返す。
「ええ、私たちが描かれた年を当てられたら書記の場所を教えてあげるわ」
「それじゃあ、ゲームスタートね」
そう言うと二枚の絵画は揃ってくすくすと笑い出した。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あまちゃん | 作成日時:2023年11月20日 6時