・ ページ14
「ほらほらぁ!頑張らなきゃ!もう時間がないよー!」
しかしユウの耳にはそんな声は一つも届いていないようだった。
ユウの中には、一つの言葉だけがぐるぐると渦巻いていた。
「一緒に遊ぼう 一緒に遊ぼう 一緒に遊ぼう」
うるさいうるさいうるさいうるさい!
ユウには余裕がなかった。
しかしユウはキツネのぬいぐるみに追いついたかと思うと、その手をひっつかんだ。
そしてそのまま上に持ち上げる。
(やった…!)
ユウがキツネのぬいぐるみを上にあげたと同時に、踊っていたぬいぐるみたちや二人を襲ってきたくまも魔法が解けたように動かなくなった。
「ユウ!大丈夫か!?」
ランスが慌てて駆け寄ってくる。
ユウはなんとかうなずくと、キツネの手から紙を引き抜くとそっと地面に下ろした。
「お見事!素晴らしいショーだったよ!」
コラットはパチパチと手を叩く。
「ふっざけんなッ!これのどこがショーなんだよ!」
「あはは、そんなこと言わないでよ!約束通り、君たちの手にそれが渡ったじゃないか!」
「いくら何でもこんなやり方ねぇだろ!」
「そんなに怒らないでよ!それに・・・君の方は死んでるんだから、この世界でどんなに血を流そうが腕を切り落とされようが元に戻るだろう?」
コラットはランスに顔を近づけたかと思うとそっと耳打ちした。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あまちゃん | 作成日時:2023年11月20日 6時