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(僕も何か……)




ユウは考える。




しかし武器になるようなものは何一つ持っていないし、ぬいぐるみに攻撃が通るような必殺技も持っていない。




(どうしよう……どうすれば……!)




その時だった。




ふと、コラットの周りを歩くキツネのぬいぐるみの手に何かが括り付けられているのが見えた。




ユウが一階で拾った紙と同じように折りたたまれている小さな紙だ。




(もしかして…!)




ユウが手を伸ばそうとするも、くまのぬいぐるみに行く手を阻まれ、幾度となく邪魔をされてしまう。




(このくまのぬいぐるみ、どうにかして気を逸らせられないかな…)




ユウは舞台セットを見渡す。




草木のハリボテ、色とりどりの風船、そして
デフォルメされた魚のクッションがある。




(熊…魚…)









「熊は雑食なんだ。木の実も食べるし、肉だって、何でも食べるんだよ」









「!!」




ユウは以前にイリアが自分にそう教えてくれたことを思い出した。




(そうか、これなら…!)




ユウは魚のクッションを抱えると、思いっきりくまの方に投げた。




案の定くまは魚のクッション目掛けて走っていく。




ぬいぐるみがクッションに気を取られている隙に、ユウは全速力で駆け出した。

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作者名:あまちゃん | 作成日時:2023年11月20日 6時

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