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「俺がまだ生きてた時……事ある毎にお前は自分を責めたよな。自分がもっとしっかりしてたら、こんな事にはならなかったって……それは、お前の為か？」
「え……」
ランスはユウの頭から手を離すと、少し距離を取った。
「誰かに頼まれた訳でもなければ、義務でもない。生きるとか死ぬとかも同じだ。誰かの為に生きるとか、自分を犠牲にするとか……そういうのは全部自分の為なんだよ」
「……だけど」
「俺はお前が生きてて良かったよ。いや、俺だけじゃない……カイリだってイリアだって……お前が生きてて良かったって思ってる。だけどな、お前はそれに気づけてない」
「……」
ランスはユウに背を向けた。
「生きるのも死ぬのも自由だ。お前の好きなようにすれば良い……ただ、今一度良く考えるんだ。自分が何をしたいのかを」
(僕が、何をしたいのか……)
「兄さんには生きててほしいから」
「兄さんには幸せになってほしいから」
記憶の中のイリアが僕にそう言った。
横にいるカイリも真剣な眼差しでこちらを見つめている。
そして、目の前にいるランスも。
(やっぱり……僕は、みんなの為に生きていたんだ)
みんなの為なら死んでも構わないと思っていた。
だから、みんなが居なくなって初めて気がついた……自分が何をしたかったのか。
(僕は……本当は生きたかったんだ)
生きる意味が欲しいんじゃない、死にたくなかったんだ。
きっと心のどこかで生きていたいと願っているんだろう。
ユウの目から涙が零れる。
それを拭う事もせず、ただ呆然と涙を流していた。
「なぁユウ……お前は生きたいんだろう？」
「……うん」
「なら生きるしかないだろ……難しく考えなくていい」
(生きるしかないか……)
確かにそうだ……誰も死ななかった世界だったらどうしただろう？ そんな世界を想像した。そして、そんな世界での未来を想像してみた。
ランスやカイリが居て、イリアが居て……そして自分が居る。
そんな生活はとても幸せで、温かくて……とても楽しかった。
みんながいた此岸にも生きる意味があるはずだ。
「ありがとう、ランスお兄ちゃん」ユウの言葉にランスは微笑んだ。
二人の間に優しい風が吹いた。
(……不思議だな)
ユウはなんだか気持ちが楽になった気がした。
ユウは前を見る。
遠くに図書館がうっすらと見える。
(……もう、大丈夫)
そして二人はまた歩き出した。
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あまちゃん(プロフ) - リョウナ@幽霊さん» コメントありがとうございます！そんなに褒めていただけて嬉しいです😭励みになります🔥💪🏻 (10月23日 17時) (
レス) id: 86f5249162 (このIDを非表示/違反報告)
リョウナ@幽霊 - この作品好きです！めっちゃ大好きです！！更新とか頑張ってください！！ (10月23日 16時) (レス) @page23 id: e32eeebb6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまちゃん | 作成日時：2023年10月1日 8時
