孤独な羊にアイを添えて 2

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少年はポケットの中に手を入れる。




中には今まで貯めてきたお小遣いが入っているのだが、それでも尚、この図鑑を買える程のお金は無い。




少年はポケットの中の小銭を握り締める。チャリンと小銭が悲しそうに鳴る。




少年は諦めようかと本屋を後にしようとすると、後ろから声が聞こえてきた。




「×××？どうしたの？」




少年は反射的に声のした方を見る。




そこには少年と同じくらいの背丈の男の子がいた。




こめかみの部分からは羊の角が生えている。




「あ、××……あの図鑑欲しいけど、お金がなくて……」




「ん〜？どれどれ？」




少年は後ろにいた少年に図鑑を見るように促す。




「・・・うん、これなら買えるよ」




羊の少年は自分のポケットに入っていたお金を取り出し、長髪の少年の手にのせた。




「え！？」

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