・ ページ5
「...分カリマセン...デスガ、コノ世界ニハ"人間ハンター"トイウ人間ヲ捕マエルコトヲ専門トスル組織ガアリマス。彼ラハ私ノヨウナ一般市民トハ違イ、酷ク人間ヲ恨ンデイル方ガ多イデスネ」
ヒトツメが話すと少年の中で捕らえられた自分の様子が映された。
少年を取り囲む人間ハンター達はゴミを見るような目で少年を見ている。
そして、ハンター達は持っていた武器を少年に振りかざし...。
少年は顔を青ざめさせ、心拍数は急速に上がった。
すると、その様子を見ていたヒトツメが少年の頭を撫でた。
「大丈夫デスヨ。怖ガラナイデクダサイ。貴方ハ私ガ守リマス」
そう言って優しく微笑むと、もう一度少年の頭を軽くぽんと叩いた。
ヒトツメの手は冷たいが、何故か心が温まっていくような気がした。
そして同時に少年は自分のやるべき事を思い出した。
「あの！僕、行かなきゃいけない所があるんだ！ここから出る方法を教えてくれない？」
「……アマリ無理ヲシナイホウガイイト思イマス。外ニ出タラ危険デス」
「お願い！弟のところに行かないと！」
「...弟？」
ヒトツメがピクリと反応した。
「うん、僕には弟がいて、さっきまで一緒にいたはずなんだけど...いつの間にか弟とはぐれちゃって……だから僕、探さなきゃいけなくて……」
「...駄目デス」
「っ...」
「外ハ人間ノ世界トハ違イマス。何ガ起コルカワカリマセン。万ガ一人間ハンターニ見ツカッテシマエバ命ハアリマセン」
ヒトツメは怒っているかのような口調で言った。
だが、少年もここで引き下がるわけにはいかない。
「……弟は僕にとって大切な人なんだ！お願い……！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あまちゃん | 作成日時：2023年4月9日 22時
