19:騒ぎ ページ20
「うめぇ!!」
「おかわりーッ!!」
19時を20分ほど過ぎた頃。
やけに騒がしい食堂の扉を開けたのは、この船の船長であるトラファルガー・ロー。人呼んで死の外科医だった。
「……何の騒ぎだ」
宴かと見紛うほどの盛り上がりっぷりに、手近に居たクルーを捕まえ何事かと尋ねれば、リスのように頬を膨らませて肉を租借するクルーが、そのまま「キャプテン!!」と、叫んだ
「キャプテン!」
「キャプテン此処どうぞ!!」
食堂中に漂っている旨そうな匂いに、テーブルにはこれでもかと盛り付けられた料理の数々。
一体何が起こっているのかと辺りを見渡せば、ふと、見覚えの無い影が視界の端に写った
「おい!あの女は何だ」
「ペンギンが連れてきた料理人ですよ!」
「食ってくださいキャプテン!めちゃくちゃ旨いですよ!!」
「Aちゃ〜ん!肉とポテサラお代わりお願いしま〜っす!!」
「はいよ!んで、唐揚げ追加と刺し盛りお待ち!」
器用に腕やら掌やらにでかい皿を乗せたまま厨房と食堂を行ったり来たりするソイツは、俺に目もくれず、酒場で働く女か何かのように快活に返事を飛ばしては、異常にテンションの高いクルーに笑みを向けていた
どうも今は話し掛けられる状態じゃ無いらしく、俺は椅子に腰を下ろし、目の前の皿から唐揚げを一つ口に運んだ
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作者名:かなで x他1人 | 作成日時:2019年10月3日 21時