東の海の料理人？【ワンピース】 (ページ12)

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11:覚醒ページ12

「あれ、生きてる」

意識が回復して一発目。
死ぬほど全身が痛いけど、見慣れた天井に、ああ家か、何て呑気に考える。

「目ェ覚めたか」

ふと視界に揺れたブラウンの髪に視線をさ迷わせれば、男にしては長い髪を後ろに流して乱雑に括った後ろ姿が見えた。

「……父さん」

何やら作業していた手を止め、私に顔を見せるように座り直した父は、困ったように眉を寄せて、私の額を撫でた。

見たこともないような悲痛な面持ちに、笑うか怒るかしかしない父が、まるで別人に見える。

「……痛いか？」

「痛すぎて痛くないかも。……あ、やっぱ痛い」

茶化すようにそう言ってみても、父は険しい表情を崩すことはなく、むしろ、ギリ、と歯を鳴らして何かに耐える様に拳を握りしめた

「そうか。……サンジがお前をここまで運んでくれた。礼を言っとけ」

「サンジが？……わかった」

最後に見たあの金色は、やっぱりサンジだったんだ、と思うと、居ても立ってもいられなくて、父の手を借りながら体を起こして、直ぐに店の外へと向かった。

立ち上がってみて気付いたが、頬だけじゃなく、腕、それから足にも切り傷があったみたいで、私の体は包帯でグルグル巻き。

ミイラみたいだななんて考えながら、辺りを見渡せば、ふわりと白い煙が視界に揺らいだ。

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