隣の席の三橋くんは___ ページ46
今も私の隣の席は三橋くんだ。授業中暇になると私にちょっかいを仕掛けてきたり、話し掛けてくる。
私はそんな三橋くんにも慣れ、前の様に慌てたり照れたりする機会も減っていき、今も私の肩を揺らし何やら訴え掛けてきているが…私はズラリと黒板に書かれた文字を書き写す方を優先した。
｢最近Aちゃん、俺に冷たくねぇー?｣
お昼になりノートを片付けようとしていると、ﾋｮｲｯと手に持っていたノートを取った三橋くんは、ﾊﾟﾗﾊﾟﾗとノートを捲っては詰まらなさそうに唇を尖らせる。
｢こーんな字ｨばっか、つまんねｪし｣
｢でも授業中はノート取らないと｣
不貞腐れては眉間に皺を寄せては｢Aちゃん冷てー｣と机に項垂れる。最近知ったのだが、どうやら三橋くんは構われたいタイプらしく授業を優先する私に不満があるらしい。
頬杖を付きｼﾞﾄﾞｰｯと見詰めてくる。苦笑いを浮かべ乍｢私の卵焼きあげるから｣と早弁をし、御昼の無い三橋くんへすすめた。
少しは機嫌直してくれるかな、と期待しつつ返事を待つと____
｢ん、ちょーだい｣
返事をする変わりに口を開き少し前のめりになる三橋くんに、体が硬直する。
もしかして…卵焼きを食べさせてって、事?
ｸﾞﾙｸﾞﾙ頭の中で自問自答していると、痺れを切らしたのか｢はーやーくー卵焼き｣と急かされ、私はﾄﾞｷﾄﾞｷと心臓を高鳴らせ乍、微かに震える箸先で卵焼きを摘まむ。
周りの視線が突き刺さるのを感じつつも、三橋くんの口許に卵焼きを運ぶと、ﾊﾟｸｯと頬張った三橋くんはへらりと笑い乍｢ンまｯ｣と、嬉しそうに声を溢す。
｢あ、後唐揚げも。んーそれと卵焼きもう一つ｣
｢ｯもう、しないから____それに、私のお弁当無くなるし｣
此と此、と指差し示す三橋くんに私はお弁当を自分の元へ引き寄せ隠す。
先程まで注がれていた視線は緩む事は無く、私は恥ずかしさから｢だめ｣と首を振るも____三橋くんも負けじと私の腕を揺らし、何度も訴えてきた。
隣の席の三橋くんは、今でも揶揄ったり授業中に話し掛けて来てばかりだが____そんな姿を間近に見られるこの席は、私の一番のお気に入りの席だったりする。
まぁ、こんな事本人には恥ずかしくて言えないので…当分“内緒”にしていようと思う。
終わり←隣に並ぶ___
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asasas(プロフ) - 今まで見た小説の中で1番好きです (2023年3月6日 23時) (
レス) @page46 id: 279c9e9ea7 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - すっごく面白かったです！！ 京子さん、、途中で嫌になったけどねwww でもすっごく良かったです！！ (2022年8月6日 20時) (レス) @page26 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
夜 . - らなのMonOさん» 読んで頂きありがとうございます！少し子どもっぽい三橋に成ってましたが、楽しんでもらえた様で嬉しいです！ (2019年1月2日 18時) (レス) id: 7f1a5ac1a8 (このIDを非表示/違反報告)
らなのMonO(プロフ) - 三橋が可愛いすぎて辛かったですww青春って感じがして面白かったです！ (2019年1月1日 12時) (レス) id: dce8680b38 (このIDを非表示/違反報告)
夜 . - Snさん» Snさん、此方も読んでくださってありがとうございます！子ども染みた悪戯をしそうだな、と私自身書いていて楽しかったです笑 未だどのようなモノを新しく書いていくかは未定ですが、参考にさせてもらいます！ (2018年12月30日 13時) (レス) id: 7f1a5ac1a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜 . | 作成日時：2018年12月6日 22時
