宣戦布告といきましょう ページ44
私は三橋くんの言葉に瞬きを数度繰返し、確認するように｢私?｣と自分の顔を指差す。
ゆっくりと状況を飲み込むように私は必死で考える___好き、と言われたのは私…言ったのは三橋くん、三橋くんの好きな人が___私?
｢ｯもぅ…揶揄って、るんで___しょｯ｣
｢あ、信じてねｪ?｣
俄に信じられない出来事に私はやはり上手く飲み込めず、視線を逸らし笑ってみたが____微かに三橋くんの声のトーンが下がり、しまった___傷付けてしまった、と沈む雰囲気の中私は三橋くんの顔が見れず、俯く。
三橋くんは唇をｷｭｯと結び大きく深呼吸をすれば、ｸﾞｼｬｸﾞｼｬと私の髪を乱すと｢変な顔すんなって｣と、苦笑いを浮かべ
｢で、俺Aちゃんに愛の告白したんだけど、返事はねｪの?｣
｢ｯあ、愛の告白って____｣
改めて口から聞くと、恥ずかしさが溢れ一気に顔に熱が戻ってくる。やっとじわりじわりと実感していくのを感じ、私は何て答えれば良いのか___否、分かっていた。
只、此の気持ちを言葉にしてしまえばもう、後戻りが出来なくなる様な気がして私は気付いてない振りをしていた。
其に、私より____
｢三橋くん、には私より…素敵な人が居る、でしょｯ。私…可愛くないし鈍くさいし｣
こう思うと本当、自分は欠点ばかりで笑ってしまう。しかし三橋くんは私の言葉に耳を傾け乍、指折り数えるように話し始めた。
｢あー…卑怯な手は使うし、授業はサボるわケンカはするわ___Aちゃんより欠点多いな｣
｢そんな、事ないよっ。三橋くんは優しくて、私が困ってたら助けてくれる____｣
首を振りそんな事無い、と訴えると｢俺も同じ、Aちゃんはそーやって卑下するけど、そんなンじゃねｪよ。｣と微かに笑っていた。
｢ま、返事は急かさねーからゆっくり考えてて。でも、一つだけ____｣
｢っな、何?｣
｢今度ちゅーすン時は、此処にしちゃうから。覚えとけよ。｣
ﾁｮﾝｯと私の唇を人差し指で触れ、まるで“宣戦布告”の様に告げられた言葉に息を飲む。
暫く固まっていると、三橋くんは屋上から出て行こうとしており、私はｷﾞｭｯと拳を握りしめ____“自分の気持ちを伝えよう”と、風に揺れる金髪の背を追いかけた。
やっと追い付いた三橋くんの背に、大きな声で“ ”と伝えれば振り返った三橋くんは大きく瞳を見開き、照れくさそうな嬉しそうに笑った。
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asasas(プロフ) - 今まで見た小説の中で1番好きです (2023年3月6日 23時) (
レス) @page46 id: 279c9e9ea7 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - すっごく面白かったです！！ 京子さん、、途中で嫌になったけどねwww でもすっごく良かったです！！ (2022年8月6日 20時) (レス) @page26 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
夜 . - らなのMonOさん» 読んで頂きありがとうございます！少し子どもっぽい三橋に成ってましたが、楽しんでもらえた様で嬉しいです！ (2019年1月2日 18時) (レス) id: 7f1a5ac1a8 (このIDを非表示/違反報告)
らなのMonO(プロフ) - 三橋が可愛いすぎて辛かったですww青春って感じがして面白かったです！ (2019年1月1日 12時) (レス) id: dce8680b38 (このIDを非表示/違反報告)
夜 . - Snさん» Snさん、此方も読んでくださってありがとうございます！子ども染みた悪戯をしそうだな、と私自身書いていて楽しかったです笑 未だどのようなモノを新しく書いていくかは未定ですが、参考にさせてもらいます！ (2018年12月30日 13時) (レス) id: 7f1a5ac1a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜 . | 作成日時：2018年12月6日 22時
