笑顔が見たくて ページ38
京子side
今日は何だか平和だ。他校のスケバンと揉める事も無く、只々時間がゆっくりと過ぎていく。
がっこーも終わったし、帰るか。道端の小石を蹴り乍商店街へと向かう____すると、反対の道から理子さんの姿を見付け｢理子さん｣と声を掛ける。
｢あ、京子ちゃん____｣
｢理子さん?何か、ありました…?｣
何処か元気の無さそうな表情に、問い掛けてみると理子さんは少し視線を逸らすとへらりと笑うが、見るからに痛々しいその笑みは、笑って居るのに泣いている様に見えた。
もしかして、と嫌な予感がし確認するようにもう一度尋ねる。
｢あ、の…三橋さん、関係ですか｣
頼むから、違うと首を降って理子さんｯ。
願うように祈るも、理子さんの口から告げられた言葉に、一瞬____心臓が止まるような感覚に襲われた。
｢っそんな訳、あｯなら私が____｣
｢良いの、三ちゃんの選んだ人だもん。と言っても、本人同士まだ気が付いてないみたいだけど｣
肩を竦め瞳を伏せて笑う姿に、私は顔をクシャリと顰め鼻を啜る。
｢もぅ、泣かないで?私は大丈夫だから｣
｢だ、って…理子さんが、そんな顔して笑ってるから｣
ポケットから真っ白なハンカチを取り出すと、そっと私の涙を拭う理子さんは、一瞬だけﾋﾟｸｯと動きを止めるも直ぐに｢確かに悲しいけど、こんなに素敵な友達が居て幸せよ?私｣と笑った。
私だって、薄々気が付いていた。三橋さんはもしかしたら、理子さんじゃない誰かをって____でも、嫌だった。
四人で居る心地好い空間も、全て壊れてしまうんじゃないかと思うと、彼女には強く当たってしまっていた…自分勝手な我儘だ、と自嘲し乍も大切な人同士が結ばれて、笑って居て欲しいと思う気持ちは強く募る一方だ___
｢あ、この後暇なら何か甘い物食べに行かない?｣
｢なら、私パフェ食べたい理子さんは?｣
｢ん〜…バナナパフェにしようかな｣
袖で涙を拭い、笑って返事をする。
そうだ、沢山今日は甘い物食べて理子さんと一緒に過ごそう。きっと、何時もの笑顔を浮かべて、運ばれてきたパフェを食べるんだろうな。と頭の中に思い浮かばせ乍、理子さんの手を引く。
｢早く行きましょ、理子さんｯ。｣
私の言葉に理子さんは、瞳を細め口許を綻ばせ何時も見せてくれる笑顔へと少し変わっていた。嗚呼、やっぱり理子さんにはその笑顔が一番良く似合う。
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asasas(プロフ) - 今まで見た小説の中で1番好きです (2023年3月6日 23時) (
レス) @page46 id: 279c9e9ea7 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - すっごく面白かったです！！ 京子さん、、途中で嫌になったけどねwww でもすっごく良かったです！！ (2022年8月6日 20時) (レス) @page26 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
夜 . - らなのMonOさん» 読んで頂きありがとうございます！少し子どもっぽい三橋に成ってましたが、楽しんでもらえた様で嬉しいです！ (2019年1月2日 18時) (レス) id: 7f1a5ac1a8 (このIDを非表示/違反報告)
らなのMonO(プロフ) - 三橋が可愛いすぎて辛かったですww青春って感じがして面白かったです！ (2019年1月1日 12時) (レス) id: dce8680b38 (このIDを非表示/違反報告)
夜 . - Snさん» Snさん、此方も読んでくださってありがとうございます！子ども染みた悪戯をしそうだな、と私自身書いていて楽しかったです笑 未だどのようなモノを新しく書いていくかは未定ですが、参考にさせてもらいます！ (2018年12月30日 13時) (レス) id: 7f1a5ac1a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜 . | 作成日時：2018年12月6日 22時
