あの子と君は ページ36
理子side
まさか、彼女が助けに入って来てくれるなんて___と驚いた。大人しそうで、寧ろ自分から関わる事を避ける様な彼女は、微かに震え乍も私と不良の間に割って入り｢ｯ離してあげてください、嫌がってます｣と、凛とした声で言い放つ。
しかし、私が一人の男を気絶させた事に安心し私は気を緩めてしまった瞬間、もう一人の男が私へと攻撃を仕掛けてきた。
嗚呼、殴られる。と覚悟したが___Aちゃんが私の前へと踏み出ていた。
驚きのあまり息を呑み、地面へと倒れた彼女へ駆け寄ると、殴られた頬は真っ赤に腫れ____私を安心させるように笑う彼女に、胸が締め付けられる。
｢ｯ…(残りは二人、一人なら…何とかなりそうだけど)｣
ｷｭｯと唇を結び、相手を睨み付ける。その瞬間、Aちゃんの口から大きな声で三ちゃんの名前が呼ばれる。
まるで、その呼び掛けに答えるように現れた彼により____私達は助かった。
｢Aちゃん、ｯ____!｣
｢三橋、くん…｣
口許から少量の血を流す彼女の顔を見た三ちゃんは、既に気絶している三人へ向き直すとﾄﾄﾞﾒと言わんばかりに蹴りを入れようとするも、Aちゃんに止められ不機嫌そうに舌打ちを鳴らす。
Aちゃんの言葉なら、素直に聞くんだ。と少し悔しく思い乍、Aちゃんが止めてくれた事にホッと胸を撫で下ろす。
｢お前は大丈夫だったか?｣
｢うん、大丈夫。Aちゃんが助けてくれたから｣
｢良かった…赤坂さんに、ケガ無くて｣
Aちゃんは頭を下げると｢ありがとう赤坂さん、助けてくれて｣と言葉を繋ぐ。助けられたのは、私なのに____普通の女の子なら、不良に絡まれてるのが同性でも、助けに入る何て難しいのに。
嬉しさと少しばかりの悔しさは、複雑に絡み合い____私の心を覆い尽くす。
｢でも、三橋くん本当に来てくれるとは思わなかった｣
｢約束したろ?呼べば何処にでも駆け付けるってよ｣
Aちゃんは数度瞬きを繰り返すと、何処か嬉しそうに笑っており、三ちゃんもそんな風に笑うんだ____と思う程、酷く柔らかな笑みを浮かべる姿に、切なくなった。
額には薄っすらと汗が滲み、息は微かに上がっている。嗚呼、そっかだから三ちゃんはあんなに必死になって走って来たんだ。
夕暮れに照らされた彼の金髪が眩しくて、私はそっと視線を背けた。
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asasas(プロフ) - 今まで見た小説の中で1番好きです (2023年3月6日 23時) (
レス) @page46 id: 279c9e9ea7 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - すっごく面白かったです！！ 京子さん、、途中で嫌になったけどねwww でもすっごく良かったです！！ (2022年8月6日 20時) (レス) @page26 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
夜 . - らなのMonOさん» 読んで頂きありがとうございます！少し子どもっぽい三橋に成ってましたが、楽しんでもらえた様で嬉しいです！ (2019年1月2日 18時) (レス) id: 7f1a5ac1a8 (このIDを非表示/違反報告)
らなのMonO(プロフ) - 三橋が可愛いすぎて辛かったですww青春って感じがして面白かったです！ (2019年1月1日 12時) (レス) id: dce8680b38 (このIDを非表示/違反報告)
夜 . - Snさん» Snさん、此方も読んでくださってありがとうございます！子ども染みた悪戯をしそうだな、と私自身書いていて楽しかったです笑 未だどのようなモノを新しく書いていくかは未定ですが、参考にさせてもらいます！ (2018年12月30日 13時) (レス) id: 7f1a5ac1a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜 . | 作成日時：2018年12月6日 22時
