妖と祓い師 (ページ6)

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狐「会いに来た、というのは本当ですよ？」

『目的は？』

少し、狐か妖気が溢れてきている。かなり本気で言ってるんだ。

狐「あれ？信じてくれました？」

『……目的は』

こいつ…………

刀の柄を握る手に力を余計に込めてしまい、切先が震える。

狐「ハハハ、これ以上おちょくると本気で怒られそうやし、正直に言うわ」

昨日と同じ。眼鏡の奥、青みのかかった黒い瞳に見つけられる。

狐「俺と一緒に来ません？こんな狭い鳥籠、抜け出して」

『馬鹿か。行くわけ無いだろう』

狐「俺は本気ですよ？なぁ……」

〈同じ"紛い者"同士、仲良くしましょ〉

『お前のような穢らわしい妖と一緒にするな』

狐「それ、ブーメラン」

『私はっ「あぁ嗚呼、ムキになってもうて」っ……』

頬に、狐の温かい手が触れる。

肌の暖かさに触れたのはいつぶりだろう。記憶にないから、それくらい昔かもしれない。

狐「今じゃなくていい。でもいつか、鈴が俺の手を取って、自分の意志で飛び立つ決心ができるまで、待ってます」