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『父上、鈴です』
父「入れ」
『失礼いたします』
西華院本家。雅の間。本家で最も広い部屋に西華院の重鎮たちが会していた。最奥に座るのは私の父。西華院錬。
父「よく、戻ったな」
『はい。壺はここに』
す、と前に壺を差し出せばどよめきが起こった。
禍々しい妖気が、壺に今も収まりきらずに溢れ出している。
父「上出来だ」
『これからも精進いたします』
表情を崩さない私に対して、父は悲しそうな顔をする。そのまま下がるように言われ、私は雅の間を……本家を後にした。
ねぇ、聞いた？若姫、あの任務一人でこなしたらしいよ
らしいね。それも、目標量よりかなり多かったんだって
無傷なんでしょ？やっぱり、妖の血を継いでる化物なんだぁ
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作者名：まほらば | 作成日時：2022年9月13日 9時
