【ky】最終兵器と白銀少女【実/況/者】 (ページ8)

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6話　その後ページ8

病院

キヨ君とAちゃんが初めて出会った場所。

ベッドに仰向けになっているAちゃんに見いっていると、外に出ていたキヨ君が帰ってきた。

ky「起きた?」

rt「や、まだ寝とるよ」

結論から言うと、Aちゃんは無事だった。

あの2人には、俺らが部屋に入った後に逃げられたんやけど、このご時世の警察は優秀なもんですぐ捕まった。

Aちゃんのお父さんの部下だったらしいで。

例の血に関するデータがたっぷり詰まったファイルを院長のパソコンから抜き取って、わざわざ復元させたんやと。

何に使うつもりやったんやろうなぁ、Aちゃんの万能な血。

俺が悪い人間なら、裏サイトでヤバい薬と一緒に売り捌くかな。

部屋の隅にある椅子へ向かうキヨ君を目で追いながら、適当な質問を投げかけた。

rt「キヨ君はどうやった?連絡取れたん?」

ky「ん、一応はな。フジがしつこく心配してきてウザかった」

rt「ふふ、フジ君らしいなぁ」

ky「こーすけ達は、時間があれば来るらしいけど、Aなら多分大丈夫だろってさ。あいつら舐めてんな」

rt「だって実際もう傷は全くないわけやし、言ってることは間違ってないやろ」

ky「…そうだけどさぁ」

確かに今回のはかなり危なかったみたいやけど

ナイフがすぐ抜かれてなかったら、Aちゃんはもうこの世に居らんかったかもしれんらしいけど

もしそうなったら、キヨ君は今頃どっかで身投げしようとしとったかもやけど

まあ、それもこれも結果オーライってことで。

シーツの白に溶け混みそうなくらい透明なAちゃんを見ていると、体の中の汚いものがスゥッと消えていくような気がした。

rt「それにしてもキレーな寝顔やなぁ…食べたいくらい」

ky「は!?急になに言ってんの!?」

rt「冗談に決まっとるやろ。なに焦っとんのや」

ky「あ、焦ってねぇし!!」

rt「はいはいわかってますよ。Aちゃんを食べてもええんはキヨ君だけやもんな～」

ky「…レトさん嫌い」

rt「だから冗談やって」

わかりやすくキレるキヨ君で遊びながら、Aちゃんが目を覚ますのを気長に待っていた。