【ky】最終兵器と白銀少女【実/況/者】 (ページ27)

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25話　イベントページ27

ky「じゃあ…俺、行ってくるね」

『うん。行ってらっしゃい』

ky「…」

『?』

ky「ん～…」

『もう…』

イベント当日。

寂しくなんないようにしようと思って昨日の夜一緒の布団で寝たのに、やっぱ無駄だった。

Aの背中に手を回して、首筋に顔をうずめる。

ky「このまま連れてっていい?」

『それよくないって言ったのキヨだよ…?』

ky「…まあそうだけどさあ」

武道館ともなるとさすがに人が多すぎるし、誰かに見られたら面倒なことになるだろ?

だから連れて行きたくないんだけど、連れて行きたい。

うん。俺なに言ってんだろ。

『昨日あんなに備えてたのに…』

ky「無理。だって軽く4時間は会えないんだよ?」

『た、たったの4時間でしょ…』

ky「そんなこと言わないでさあ～…!!」

そのままの体制でスリスリしてたら、Aが少し体をよじった。

『キヨ、髪くすぐったい…』

ky「うーん…」

『うーんじゃなくて…私、留守番でも大丈夫だから…ね?』

ky「それはわかる。でも俺がヤダ」

『で、でも…もう行かなきゃ遅刻しちゃうし…』

Aをわざと困らせて時間を引き延ばすっていう姑息な手を使ってたら、フジが呆れた様子で声をかけてきた。

fj「はあ…キヨ、なにしてるの。もう行くよ?」

ky「先行っといてー」

fj「バカ!!w一緒に行こうって言ってたでしょ!?」

ky「だってさあ…」

『…離れてくれなきゃキヨのこと嫌いになっちゃいそう』

ky「行ってくる」

fj「切り替えはや!!w」

やれやれって感じでため息をつくAから手を離して、荷物を持つ。

あーあ…行かなきゃいけねぇのか～…

『…大丈夫、またすぐ会えるんでしょ…?家にはヒラとこーすけもいるし…安心して行ってきてね…?』

ky「…!!」

ああ…ちゃんと元気付けてくれようとしてる。

やっぱAってしっかりしてるし優しいのな。

なんか、いける気がしてきた。

ky「うん…おう、わかった!俺行ってくるわ!!」

『ふふ、うん。頑張ってね』

ky「おう!ありがとな、A!!」

『うん。行ってらっしゃい』

ky「行ってきます!!」

微笑むAに笑顔で返して、玄関を開けた。

fj「はあ…やっと行く気になってくれたよ…」