【ky】最終兵器と白銀少女【実/況/者】 (ページ15)

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13話　放棄ページ15

rt「おっと?キヨ君もうすぐ帰ってくるみたいやで?」

『え』

ほら、呟き。

そう言ってレトさんが見せてくれた画面には、キヨの1分前のツイートが。

キヨ
@kiyo_saiore

イベントの打ち合わせ終わったからもう帰るうううーーー ! ! ! わがまま言ったら早く終わらせてくれました。スタッフの人超優しい。まさに俺みたいですね ! ! ! 早く帰りたい。むしろ家が来ねぇかなぁ。帰ったらどうせすることないんで寝ます ! ! ! みんなお休み ! ! ! !

『…』

なんか、いろいろとツッコミどころがありすぎて反応に困る。

まず一番気になるのが、「わがまま」ってワード。

キヨ…いったい皆になにを強要したの。

どうせ「早く帰りてぇ」って言って聞かなかったんでしょ。

…うん。きっとそうだ。

『帰ってきたら、説教しなきゃ』

rt「お、おお…すごいな」

はあ、まったく。

なんとなく予想はしてたけど、ほんとに放棄して帰ってくるとは。

…でも

早く帰って来てくれるのは、ちょっと嬉しい…かな…

rt「あー、Aちゃんほんまは嬉しいんやろ!」

『え!?べ、べつに、そんなこと…』

rt「ふふ、可愛いなぁAちゃんは!ラブラブで羨ましいわ」

『あう…あ、あんまり茶化さないでよ…』

時々、レトさんには人の心を見透かす力でもあるんじゃないのかと思ってしまう。

それとも、私の考えてることって、そこまで分かりやすいのかな…?

rt「ふふ、まあ大変やと思うけどキヨ君の相手頑張ってな」

そう言いながら、席を立つレトさん。

『え、もう帰っちゃうの?』

私が引き留めると、レトさんは荷物を取る手を止めて私の目を見た。

rt「ん?うん。みんなの前で変に嫉妬されたら困るし…」

『?』

なんだろう。妙に不思議そうにしてる。

ちょっと迷ってから、レトさんは首をかしげてこう言った。

rt「なんか、変わったな。Aちゃん」

『え?』

rt「あ、ううん。なんでもない。じゃあまた会おな!」

『え、え!?あ…う、うん…!』

…変わったって、どういう意味だろう。

『私、そんなに変だったかな…?』

結局その時の私は、レトさんの言葉の意味を理解することはできなかった。

rt「…Aちゃんが俺を引き留めるなんて、初めてや。

…ちょっとは好いてくれたってことかな」

家路を急ぐ彼の口元が、少し緩んだ。