星の数ほど"好き"がある【天馬司】【prsk】 (ページ8)

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8つ目の"好き" ページ8

放課後、私は屋上に来ていた

屋上なら風景を一望出来るし、つまりは絵名を見つけられるかもしれない

「…絵名、会えるかな」

校舎には多分もうそんなに人はいない。

いたとしても屋上に来る暇人なんて……

「…Aか？」

そう思ってたら、後ろから聞き覚えのある声がしてビックリする。

恐る恐る振り返ると…そこには

「…司、なんで屋上に…？」

「それはこっちの台詞でもあるんだが…。
少し、風を浴びたい気分になってな。
屋上に来てみたら、お前がいたんだ」

「……司、なにか悩み事とかない？」

「…何故そう思うんだ？」

「いや、だってさ。
なんか、顔が寂しそうというか…」

いつもとは違う雰囲気の司。

それは、時間帯によるものかもしれないけど、時間帯で片付けられるものではなさそうだ

「…そうか？
オレは普通だが」

「…そうやってキミは溜め込むね？
まぁいいや、吐き出したかったら私が相手になるよ」

「…だが……」

「その発言でなにかあったのは確定したね。
吐き出さなくても、なにか力になれることがあるなら言って欲しい」

司のその悩みを吐き出せるような役割はできなくても、司の力になることはしても良いだろう

好きな人の力になれるなんて嬉しいことだからさ

「…なんというか、全然深刻な話ではないんだが…」

「うん」

「Aが暁山としてた会話、少し聴いてしまって…」

まさか、司の話題…！？

やばい、と私は慌てる。

どうしたら良いだろう…！？

「その…今Aがここにいるのは絵名というやつのこと関連…だろう？」

「…絵名…？
あ、そうか……」

どうやら、司は絵名についての話題を聞いてたようだ

「それで…その時のAの苦しそうな顔が頭に残って…」

私の、顔…？

そんな疑問を抱いていたが、司はまた口を開く

「オレは、みんなを笑顔にしたい、と思ってるんだ。だが、身近にいる人があんな苦しい顔をしてて…しっかりと本当に笑顔に出来てるか、と不安になったんだ」

「え…？
そんな、他人の過去の話なのに、それが気になってたの？」

「…お前にとっては他人だろうが、オレにとってのAは大事なヤツなんだぞ。
そんなヤツが苦しんでる顔を見るのは嫌なんだ」

大事…かぁ

確かに司はこんな馬鹿なお人好しだったなぁ。

そんなことを思う

「あのね、私は今司のお陰で充分笑えてるよ？」