星の数ほど"好き"がある【天馬司】【prsk】 (ページ6)

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6つ目の"好き" ページ6

「というか、いつの間にか何故か恋愛の話になっちゃってたね」

「確かにな。
どんな話をしてたか完全に忘れたぞ」

「確か、司先輩とA先輩はお似合いじゃない？って話だったと思う！」

「おぉ！
瑞希さん凄い！」

もうなんというか、半分諦めがついてしまった。

瑞希さんが全力で応援してること、分かってるけど、やっぱり司が自分のこと、好きじゃないって。

そんなこと、本人の前で言われたら折れてしまいそうだった

「…どうしたら良いのかな…」

「あ、司先輩！類が呼んでるよ！」

と言い、瑞希さんは神代くんを見る

神代くんはそれに気付いたようで瑞希の方を向き、なにやらアイコンタクトを取っているようだ

「おお！
すまない！A。
また後で話そう！」

「うん、またね、司」

「…よし、司先輩は行ったね」

「いや〜、神代くん、凄いね。
瑞希さんとアイコンタクト取っててさ」

「あ、類のこと？
まぁボク達は中学の頃からの知り合いだからね〜♪」

瑞希さん、神代くんと友達なのか、しかも中学からの

「中学からの友達、かぁ」

「どうしたの？急に」

「いや、私にも中学からの友達、いたんだけどね」

…"絵名"、会わなくなっちゃったよなぁ、なんて思って。

絵名は一応神高にいるんだけど、夜間の方に行っちゃったらしく。

……素敵な絵、描いててくれるのかな

「えっ！先輩いたんだ！
教えて欲しいな〜！」

「一応ボッチではないからね…。
その子、絵を描いてたんだけど。中学の、卒業前にさ。私、その子に酷いこと言っちゃって」

「え…。
訊いてもいいことかわからないけど、どんなこと？」

「ん〜。
名前出しちゃうんだけど、絵名って子。
それで私は、"絵名って絵上手いよね。才能だね"って言ったら怒られちゃって」

「…絵名…？」

「うん。
東雲絵名って子。
私、その子好きだったんだけどね。
今思えば、努力を才能で片付けた当時の私の発言は馬鹿だったなぁ」

「…そっか。
確かに、努力し続けたのを才能って言葉で努力を否定するのは良くないことかもしれないね」

やっぱり、瑞希さんもそう思うのか

「あはは、そうだよね。
絵名の絵が好きで、東雲絵名って人間が好きで。
私は当時の絵名が辛そうにしてたの、知ってたんだよね、だから少しでも軽い気持ちになってくれればと思って…」

ほんっと、なんで私はそんなこと言ったんだろう

褒め方なんて他にも色々あるのになぁ