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放課後が来るな、と願う日がくるとは思っていなかった…


さようならの挨拶の後、教室から人の気配が減っていく中、机に突っぷす。先がなさ過ぎて辛い。
さっきのさようならの挨拶は、私に向けられたものなんじゃないかと思うくらい。


昼休み終了時、教室を出ていく別のクラスの子に聞いてみたところ、どうやら今日は竜胆くんのお兄ちゃんは、学校に来ていないらしい。


兄弟でアイス食べれなかっただけでお礼参りなんて、どんだけお兄ちゃんとアイス食べたかったんだ!


これは、もう腹を括るしかない。もう一回、ちゃんと謝ろう。


ギギっと椅子を引いて立ち上がった。ランドセルを背負って、教室を出る。


校門までの道のりで、どうやって謝ろうかと必死に考えた結果、駄菓子屋でアイスを二つ買って、お兄ちゃんと食べてね作戦でいくことにした。


「(いる…)」


これまたランドセルを背負わずに、そこにいた。昼休み、教室に来た女子達も竜胆くんの傍にいて、なにか話しかけている。

なんだったら軽く集団になっているので、他の学年の子達からも注目の的。
けれど、竜胆くんは、それらを気にもとめず、校門を潜る生徒を見ていた。


なんというか…


すごく怖い!


めちゃくちゃ帰りたい!


あれはイメージトレーニング…いや、精神統一かな。このまま行くと、やっぱり明日の学校は、休まなければいけないかもしれない。


遠目にもわかる威圧感に、足が棒になって数秒。
キョロキョロと辺りを見る竜胆くんと目が合った。


詰んだ…。そう思うのが早かったと思う。
こちらに気づいた竜胆くんは、囲んでる女子を分けて、真っ直ぐにこちらに近づく。背景にゴゴゴが見える。どうしよう、泣きそう。


「遅せぇよ」


「ご、ごめんなさい」


行くぞ。と手を掴まれて、竜胆くんに付いて歩き始めた。

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作者名:はいず | 作成日時:2021年11月19日 21時

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