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恐る恐る振り返れば、竜胆くんがいた。
思わず体が強張る。
周りにいる子も静かになって、自分の心臓の音と向けられる周囲の視線だけが、ひたすらに煩い。
無表情がこちらをジッと捉えている。
何言われるんだろう…
「放課後…」
「？」
「校門に来いよ。」
それだけ言って、竜胆くんは踵を返して教室を出て行ってしまった。
「今日、一人だったね」なんて声が遠くに聞こえる。
「Aちゃん？」
名前を呼ぶ声で、ハッと我に返って、友人の方を見た。
「大丈夫？」
「私、タイマン張られたりとかするのかな？」
昨日の河原のお礼参りとか言うやつなのか、それなら竜胆くんが一人なのも納得がいく。
「おい、とかお前とかじゃなくて、名前で呼んでるくらいだから、それはないと思うけど…」
友人の呟きは、予鈴の音に消されて、私の耳には届かなかった。
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作者名：はいず | 作成日時：2021年11月19日 21時
