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夏休みが明けて、学校が始まった。
昼休み、教室で友達と話していると廊下からキャーキャーと女子の声が聞こえる。


「何だろう?」


「んー、夏休み明け恒例、廊下のゴキブリ変死事件」


「のテンションじゃないと思うよ」


ガラッと教室の入り口が開いて、そっちを見ればこの前の金髪二人がいた。
教室を見回して、私とバッチリと目が合うとツカツカとこちらに歩いてくる。


そのまま席の前に立って、ポケットを漁り始めた。


クラス内外から視線が飛んでくる。
居心地が悪い。


「ん!」


「ん?」

そんな中、差し出されたのは、アイスの棒。
見ると当たりの印字。


「それあげたじゃ「あー、これお前からもらったやつじゃねぇよ」


後ろの金髪が当たり棒を指差しながら言った。


「こいつね、あれから毎日アイス買って食ってた」


俺の弟、健気だろーなんて呑気に言ってるけど元はと言えば、こっちの金髪がアイス勝手に食べたのが原因で喧嘩してたんじゃなかったか。


そして、この二人、兄弟なのか…
兄と弟、間違ってんのかな。弟、すごい律儀。


「お腹、大丈夫?」


「は?」


「いや、アイス…毎日食べてたんでしょ?」


「すぐ当たり出たから問題ねぇよ」


なめんなよと言われてメンチを切られる。
なんで、いきなりメンチ切られてんだ私。


そんな私達を見て後ろの金髪が悪戯顔で笑った。


「結局、休み最終日まで出なかっ「兄貴!」


「…ほんとにもらっていいの?」


「やる。それと、この前は悪かった。」


メンチ切られたと思ったら今度は謝られた。
謝っているけど、目は逸らされているし、口も尖っている。


「私も服汚してごめん!当たり、ありがとう」


こっちも謝って、当たり棒を受け取るとそっとポケットにそれを閉まった。

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作者名:はいず | 作成日時:2021年11月19日 21時

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