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学校を出た私達は、駄菓子屋にいた。
私を入り口に置いて、竜胆くんがおばあちゃんとカウンターで、やり取りをしている。状況的にも、タイマンを張られることはなさそうで安心した。
二人を眺めていると、竜胆くんが踵を返してこちらに来た。手には、アイス。
「アイス？」
「見りゃわかんだろ」
また手を掴まれて、手を引かれて。着いたのは、昨日の河原だった。
竜胆くんの考えていることがわからず、水の流れを見つめて放心していると、隣からべリベリと人工的な音がする。
「ん、」
隣を見ればアイスをこちらに差し出す竜胆くん。2つ連結しているアイスを半分こして、こちらに差し出している。霜が降ったように冷気を纏ったチューブの中にはフローズンのようなシャリシャリが詰まっていた。
「やる」
「あ、ありがとう」
河原に座ってアイスを開けて、二人並んでそれを食べる。
冷凍庫の奥底から発掘されたガチガチのアイスみたいに緊張してしまって、味なんてわからない。隣を盗み見ると足を崩してアイスを食べる竜胆くん。
「あ、あのさ…」
「あ？」
「なんでアイス食べようと思ったの？」
手を止めて、少し考えて。何も喋らない時間は緊張はするけれど、この前みたいな居心地の悪さはない。
「…食いたくなった」
まぁ、たしかに。食べたくないと食べないよね。そうだけど、そうじゃないよ竜胆くん。
「Aは、このアイス嫌い？」
「嫌いじゃない！」
首を降って否定すれば、素っ気ない返事が飛んでくる。竜胆くんの表情に、じわっとした何かがにじみ出て、広がってなくなった。
もしかして…
「とけた！？」
「まだだろ」
続く (更新停止中)
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作者名：はいず | 作成日時：2021年11月19日 21時
