【 東リべ 】オレの馴染みのヤツ

09. ページ10

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「 どしたー八戒 」




着信の相手は、俺の弐番隊の副隊長、八戒だった。

携帯を耳に当てながらベランダに出る。
スピーカーの先で吃っている八戒に違和感を覚えつつ、「 おい八戒どーしたよ 」ともう一度呼びかける。





「 … タカちゃん今日祭り行かない方がいいかも… 」



「 ……は？」






なんでだよ、と問いかける。
コイツが意味もなくそんな事を言うわけがないし、Aと行くことだって伝え済みだ。

Aには懐いてる八戒の事だ、意地悪く言ってる訳では無いのは何となく分かるが
その理由まで悟る事は生憎できていない。








「 …… ぺーやんがドラケン狙ってるらしい 」





「 …どーいう事だ 」





「 … 愛美愛主のヤツらとつるんで、ドラケンまくるとか話してるのを聞いた… ほら、ぺーやん、パーちんの件納得してなかったでしょ … 」









どうやら、今日祭りの会場で無防備なドラケンを狙い討つらしい。

ドラケンを狙うんだ、相当な戦力と人手がかかる事はドラケンという男を知ってる奴なら分かっているだろう。生半可な相手であればものの数分でノシてしまう男だ。


… これは相当な争いになる。それは十分理解ができた。

思わず舌打ちがでる。

アイツ… Aは数時間前に、ルンルンでエマちゃんの家にヘアメイクをして貰いに行ったばかりだぞ。
あんな楽しみにしているのに、またどん底に落とさなきゃいけねえのか。






「 ……タカちゃん、今日は祭りに行かない方が、」


「 … 悪ぃ、また連絡する 」









一方的に電話を切り、思わず頭を抱える。壁に背を預けズルズルとその場にしゃがみこんでしまった。



…どーすりゃいい。俺は、アイツには笑っていて欲しいのに、









ベランダから、可愛い格好をしたAが角を曲がってくるのが見えた









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