【 東リべ 】オレの馴染みのヤツ

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俺たちの家から武蔵神社まではそこまで距離はない。ただその道中でも気づけるくらいの人の多さ。

この街のどこにこんな人数いるんだ、とも思うがよく考えればここは東京のど真ん中に近い 所謂都会って奴な事を思い出した。


混み合ってる駐車場に入り、見つけたスペースで “ 子猫ちゃん ” から降りる。Aに掛けていた特服は裏返しにして肘に掛けた。こんな人混みの中、無闇に東卍の名前は出せない。





「 タカちゃん、張り詰めすぎ 」


「 …… んな事ねぇよ、大丈夫だA 」





そー？ならいいんだけど！

なんて、バレバレな嘘だけど。



今はドラケンを探しつつ、コイツと楽しむ事が俺のするべき事だ。

さっき八戒から了承した旨の返信も確認したし、
こんな人混みからドラケンを探すのも敵味方関係なく一苦労だろう。俺たちが先にドラケンを見つければいい。






「 …ほら、行くぞ。離れんなよ 」


「 …うんっ！」






そこから他愛もない話、といっても場地は何時になったら頭良くなるのかだとか、ドラケンは早くエマちゃんとくっつけばいいだとか、本当に身内しか分からないような話をしながらAと出店を回る。

Aはりんご飴よりも綿あめの方が好きだし、
金魚掬いよりもヨーヨー釣りにテンションを上げる。

たこ焼きは外せないし、射的はやるより見る方が好きだ。



ちゃんと楽しみながら参加者の図体と顔を確認しながらおよそ1時間は経とうか、未だにドラケンとエマちゃん、更にはタケミっちとヒナちゃんも見つかってない。







辺りは日も落ちて、星空は見えない。
分厚い雲が空を覆っていた。







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