風邪 / eiji ページ7
.
「…頭痛い」
もう12時だと言うのにカーテンが閉まって薄暗い部屋に小さく自分の声が響いた。
どうやら風邪をひいてしまったらしい。
小さい時は風邪をひいたときお母さんがお粥を作ってくれたりお世話をしてくれたけど一人暮らしを始めた今では何とも心細い。
「なんか寂しいなあ」
熱を測ったらもう一回寝ようと上半身を起こすとそれを狙ったかのようにインターホンが鳴った。
こんな時に誰だろうとドアを開けると暗い部屋に居た私にはとても眩しいくらいの赤髪の彼が立っていた。
「えいちゃん、どうしたの」
え「空から大学休んだって聞いて風邪かなと思って」
どうやら私と同じ大学に通っている空がえいちゃんに伝えたらしい。
えいちゃんはお邪魔します、と言って台所の方に歩いていった。
え「お昼は?」
「食べてない」
え「だと思った。食べれそう?」
あんまり食欲ないかなあと言うと胃になんか入れないとダメでしょ、と言う彼はお粥を作ってくれるらしい。
え「寝てなよ」
キッチンに立つえいちゃんの後ろ姿を寝ないで眺めていると見てないで寝なさいと笑う。
私はえいちゃんが好きだ。
見かけによらず優しいところも、気を配れるところも、笑うと出る豊麗線も、大きな手も全部好きだ。
きっとあなたはこれからもずっと気付かないんだろう。
私の気持ちを伝えてしまったら、今の関係も崩れてしまうから伝えるつもりはないけど。
何だか辛いなあ。と聞こえないように呟くと私の目から涙が一粒、頬を伝った。
214人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナツ - 最高ッス(@^▽゜@)ゞ (2018年8月15日 17時) (レス) id: 9df5b1803c (このIDを非表示/違反報告)
小指(プロフ) - せれんさん» たきょやち!全然意識してなかったです!笑 食べたいですね(?)嬉しいです(;;)いちご味皆さんに伝わればいいなと思って(語彙力) (2018年7月21日 22時) (レス) id: 9b3d7426b1 (このIDを非表示/違反報告)
せれん(プロフ) - 最後の【同時にいちごの味が口いっぱいに広がった】ってところあえてキスと言わないところが最高です! (2018年7月21日 17時) (レス) id: d56ca2cd86 (このIDを非表示/違反報告)
せれん(プロフ) - えいちゃんがたこやきって言ったのってユーフェスmuseumのアバンティーズのたきょやちを意識しましたか?(あっ!ちがいましたね。すいません。) (2018年7月21日 17時) (レス) id: d56ca2cd86 (このIDを非表示/違反報告)
ごはん(プロフ) - 小指さん» めっちゃ捗ってくださーい!(笑) 面白かったのでついまた返信しちゃってすみません、、(笑)これからも応援してます(*´-`)(返信不要です!) (2018年7月20日 22時) (レス) id: 4ce630bf02 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:小指 | 作成日時:2018年6月18日 22時