《avntis》君と。

本気 / sora ページ19

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「あー、かっこいい」



そ「なに、俺のこと？」



「そんな訳あるか馬鹿」





冗談を言う空を無視して私の目線の先にいるのは友達と校庭で走り回っているえいちゃん。




隣のクラスのえいちゃんは少し意地悪だけどとっても優しくて面白い、私の片想いの相手だ。




放課後はよく校庭で遊んでいるのでそれを眺めるのが私の日課だ。







「何であんなにかっこいいんだろ」



そ「えいちゃんかっこいいか？」



「かっこいいもん」




そ「好きなの？」




「空には関係ないでしょ」




そ「あるよ」




急に真剣な顔つきになった空に見つめられる。


何だか気まずくなって目を逸らす。





そ「目、逸らさないでよ」




どんどん近づいてくる空の顔。





キスされると思い、目をぎゅっと瞑ると唇には何の感覚もない。




その代わりに頬に彼の手が触れた。




恐る恐る目を開ける。



あと少しでくっついちゃうくらい近くに彼の顔。





少しの沈黙が流れた後、








そ「俺、本気だから」







そう言った彼は私を置いて教室を出た。








彼に触れられた頬が熱くて小さくついた溜息は
ひとり残された静かな教室に消えていった。

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