26話(前編) ページ46
パンッという乾いた音と共に放たれた矢がユキイロギツネから遠く離れたところに飛んでいってしまって、それが逃げ出してしまう前に俯いて膝に手をついた。
『ぜんっぜん当たらない………！』
先ほどから何度も弓を引いている両腕が、もう限界だと悲鳴を上げるのは思っていたよりもはるかに早かった。
やはり大弓を触っていない長いブランクをのりこえて、前までの今よりは随分マシな腕を取り戻すのはまだまだ先になりそうだ。
「お姉ちゃん僕たちよりもヘタッピだねぇ！」
「へたっぴへたっぴぃ〜！」
と憎たらしくケラケラと笑うのはリト族の2人の子どもだ。
成人したリト族よりも随分と明るい色の体羽をもつ子どもたちはある一定の年齢を超えると、入れ違いで大人たちに狩りの練習に連れて行ってもらうらしい。
私も最近それについていって一緒に弓の練習をさせてもらっているのだった。
『そんなこと言う子は痛い目に合わせてやる！』
「「きゃあ〜！！！」」
そう言って両手に雪を握って2人のやわらかな頬に片っぽずつ押し付けると子供たちはジタバタと暴れながら先ほどよりも満足そうにケタケタと笑う。
「……ちょっと、うちの村の子どもたちをあんまりいじめないでくれないかな？」
後ろから多めの矢をもってリーバルが微笑みながらややってきたのを見て、子どもたちは慌てて頬についた雪を払ってきをつけをした。
『あ、リーバルさま。今日もよろしくお願いします。』
「こちらこそ君がきてくれると助かるよ。僕らはあんまり動物の肉は好んで食べないから、君が持って帰ってくれる分いつもより多く獲物を狙う練習ができるしね。」
でも狩った獣は基本的に自分で責任持って処理するんだよ、と子供たちに言い聞かせるリーバルはここ最近は率先してよく子どもたちを狩りに連れて行き、弓の練習をしたがっている私をそれに誘ってくれる。
やっぱりある程度は自分の身は自分で守れるようにならないといけないよな、と最近やっと危機感を持って真面目に考えるようになった。
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おれんじ(プロフ) - リンクの口調もこだわりのひとつなので、そう言っていただけてとても嬉しいです…！！こちらこそ、素敵なコメントありがとうございます！たくさん読んでやってください(^^) (2022年8月17日 7時) (
レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
ナツメグ - リンクの口調がすごくしっくりきてめちゃくちゃ感動しました…！ゲームの中で喋っていないのに何故かとてもしっくりきたし、他のキャラクターの口調もゲームそのまんまで、テンションがすごく上がりました…！素晴らしい作品をありがとうございます！ (2022年8月14日 1時) (レス) @page14 id: 0329e434ac (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - 七竈さん» 嬉しいコメントありがとうございます！(^^)脳内再生嬉しいです！みんなとお喋りするつもりで楽しんでいってください(^^) (2022年5月10日 20時) (レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
七竈(プロフ) - キャラの口調がそのまま過ぎてキャラの声での脳内再生余裕で感動しました！ストーリーに惹き込まれてすっっっごく面白いです！！ (2022年5月10日 15時) (レス) @page50 id: 7180261b9c (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - まいまいさん» いやぁぁあ！めちゃくちゃ嬉しいです！読んでやってくださいませ！ (2021年3月19日 19時) (レス) id: 752c78450e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ | 作成日時：2020年8月30日 0時
