25話(前編) ページ44
さわさわと撫でられている感覚に目が覚めた。
うっすら目を開けると少し視線を外していたAがこっちをチラリとみて微笑む。
「………あ、起きましたね。
…私も一緒に寝ようかと思ったんですけどなんだか色々考えて眠れなくなっちゃって。」
それを寝ぼけた頭で聞きながらAの膝の上であんぐりと大きく口を開けてあくびをする。
彼女の部屋は不思議と落ち着く。
意外と片付けが苦手らしく、ボクがこの部屋にきはじめた最初の数回はボクを扉の前に待たせて慌てて片付けをしていたが、今になっては机の上に大量の瓶と走り書きされた紙が散らばっている。
『………今何時？』
「12時ごろじゃないですかね。
あ、今日も泊まっていかれますよね？」
その質問に頷きながらぼうっと部屋を見回す。
まだ聞きたいことがたくさんあったのに寝てしまったのか。あの流れで色々聞き出せたろうに。
「あの…、さっきの話の続きなんですけど…」
『ん、なんだい？』
と、タイミングよくそう言われてAの顔を見上げるとAはなんだか少し照れたように目を逸らした。
フッ…。普段僕に興味のなさそうな仕草をする癖になんだかんだキュンときてしまっているんじゃないのかい？
と、昼間あんなにリンクの前でベタベタしても護ってあげても塩対応で返してくる、ボクに興味がないとわかり切っている女の子に対して心の中で1人ボケてみる。
『私、リーバル様とならいいかなって思います。』
「…………」
エッ。
頭の中でふざけて想像していたことが命中して思わず出そうになった声を飲み込んだ。
えっ、まさか本当に？あんなに気のなさそうなそぶりを見せてたじゃないか。えっ、じゃあどういう気持ちで裸で風呂に入ってたんだ？えっ、そういえばこの間会議で姫さんが話してた内容の中に種族を超えた結婚とかが認められ始めてるって言ってたな。えっ、子供はどうやって作るんだろう。えっ、みんなにはなんて言おうか。
『私も、リーバル様となら国に帰れるかもなって思ったんです。
…あっ、でも、リーバル様とは言わなくても、英傑の皆さんやゼルダ姫様となら、昔よりもっと堂々としていられる気がするんです。
背負わされている使命感の大きさよりも、その裏に隠された信頼とか愛情を側から見ていて、私は少し被害者意識が強すぎたんじゃないかって離れてからですけど、そう思えたんです。
…みなさんのおかげです。間違いなく。』
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おれんじ(プロフ) - リンクの口調もこだわりのひとつなので、そう言っていただけてとても嬉しいです…！！こちらこそ、素敵なコメントありがとうございます！たくさん読んでやってください(^^) (2022年8月17日 7時) (
レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
ナツメグ - リンクの口調がすごくしっくりきてめちゃくちゃ感動しました…！ゲームの中で喋っていないのに何故かとてもしっくりきたし、他のキャラクターの口調もゲームそのまんまで、テンションがすごく上がりました…！素晴らしい作品をありがとうございます！ (2022年8月14日 1時) (レス) @page14 id: 0329e434ac (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - 七竈さん» 嬉しいコメントありがとうございます！(^^)脳内再生嬉しいです！みんなとお喋りするつもりで楽しんでいってください(^^) (2022年5月10日 20時) (レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
七竈(プロフ) - キャラの口調がそのまま過ぎてキャラの声での脳内再生余裕で感動しました！ストーリーに惹き込まれてすっっっごく面白いです！！ (2022年5月10日 15時) (レス) @page50 id: 7180261b9c (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - まいまいさん» いやぁぁあ！めちゃくちゃ嬉しいです！読んでやってくださいませ！ (2021年3月19日 19時) (レス) id: 752c78450e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ | 作成日時：2020年8月30日 0時
