22話(前編) ページ38
みんな荷物をまとめ終わってさぁ今から城に帰ろうという時に私も包み直した弓を右手に握ったら刺すような痛みを感じておもわずすぐにその手を離した。
布に染み込んでいる赤いものをみて、慌てて自分の掌を見ると親指の付け根の腹の辺りが一枚ベロンと皮が剥がれていて、じんわりと血が滲んでいた。
うわぁ！！！！きもすぎる！！！！痛い！！！！
と心の中で叫んだが、英傑たちが傷まみれになって修行をしているのを普段から見ている手前。手の皮がむけましたなんて言い出せるわけもなく黙って後ろに弓を背負った。
弓を引くときは専用の手袋のようなものが必要なのだが、慌てていてそれ無しで引いてしまったということと、砕石していた時に変な豆ができて、たまたま弦がそこに引っかかってしまったこと、それにやたらと引くのに力のいる弓を久々に引いてしまったことが重なったのが恐らく主な原因だろう。
城まで帰ったら処置しよう。今薬を使っても心配させちゃうだろうし。
何気なく猪の足に布をくるんで、傷口に直接触れないようにしながら持ち上げる。じんじんと痛むが別に我慢できないほどじゃない。ここから歩いてハイラル城まで1時間程。頑張るしかない。
「ん？A、もしかしてそれ運ぶ気かい？僕が持つよ」
『あ………、お願いしま……』
姫様の愛馬に魚を積んでもらって手持ち無沙汰なんだよね。と手を伸ばしてきたリーバルに甘えてそのまま渡してしまいそうになるが、おそらく今手渡ししたら怪我をしていることがバレてしまうだろう。
『いや、やっぱり大丈夫です。
リーバルさま沢山お魚捕まえてきてお疲れでしょうしゆっくりされててください。』
「いや別に…」
「…じゃあ俺が持つよ」
と、リーバルが何か言いかけた時、珍しくリンクが割って入ってきだから驚いた。
いやいや、ほんとに大丈夫なんですって！と拒むが、リンクが大きな手を私の右手に重ねて優しく布ごと脚からどかした。驚いて、そのまま左手も離す。
「！！！…いいよ、ボクが持つって言ってるだろ！」
と、それをみていたリーバルが急に大きな声でそう言い、落ちたイノシシをさらに横から奪い去ってサッと先に行ってしまった。
「…ありがとう」
『あ、ありがとうございます。』
リーバルはこちらを振り返らずにただ先を歩いていく。
それについていこうと歩き出すと、リンクに私の右手首を握られて、止められた。
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おれんじ(プロフ) - リンクの口調もこだわりのひとつなので、そう言っていただけてとても嬉しいです…！！こちらこそ、素敵なコメントありがとうございます！たくさん読んでやってください(^^) (2022年8月17日 7時) (
レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
ナツメグ - リンクの口調がすごくしっくりきてめちゃくちゃ感動しました…！ゲームの中で喋っていないのに何故かとてもしっくりきたし、他のキャラクターの口調もゲームそのまんまで、テンションがすごく上がりました…！素晴らしい作品をありがとうございます！ (2022年8月14日 1時) (レス) @page14 id: 0329e434ac (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - 七竈さん» 嬉しいコメントありがとうございます！(^^)脳内再生嬉しいです！みんなとお喋りするつもりで楽しんでいってください(^^) (2022年5月10日 20時) (レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
七竈(プロフ) - キャラの口調がそのまま過ぎてキャラの声での脳内再生余裕で感動しました！ストーリーに惹き込まれてすっっっごく面白いです！！ (2022年5月10日 15時) (レス) @page50 id: 7180261b9c (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - まいまいさん» いやぁぁあ！めちゃくちゃ嬉しいです！読んでやってくださいませ！ (2021年3月19日 19時) (レス) id: 752c78450e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ | 作成日時：2020年8月30日 0時
