16話(後編) ページ29
彼はそのまま体をぐるんとまるめるとゴロゴロと勢いよく転がってきて、私の目の前でピタっと止まった。
『あぁ、ダルケルさま。お疲れ様です。』
「おいおいへろへろじゃあねえか。
もうそろそろ降りるだろ？
リンクと姫様が力の泉から帰ってる途中でミナッカレ馬宿で休んでるらしい。
そのまま山麓の馬宿までAを迎えに来るってよ。
…………、
……だめだったらしいからよ。
慰めてやってくれねえか？」
といいながら、すごい力でわたしの背中を叩くものだからよろめいてしまう。
『………そうですか。
分かりました。行ってきます。』
もうすぐ厄災が復活する。
これはこの地に来てすぐに言われた言葉だった。
厄災、又の名をガノン。
遥か昔からこのハイラルを支配することを目論んできた悪の象徴のような怪物。らしい。
その厄災を勇者が弱らせ、姫巫女が封印する。
これが先祖代々受け継がれてきた形なのだという。
その子孫がなんとリンクとゼルダで、国中から多大なる支援を受けながら、ほかの四人の英傑たちとともにガノンを討つ準備を進めているのだ。
しかし、あいにくなことに、まだゼルダには封印の力が目覚めていないのだった。
今回、2人が力の泉に行ったのも、彼女の修行のためらしい。ダルケルが言ったダメだった。という言葉はつまり、今回の修行では力を手にすることはできなかった、ということだろう。
ゼルダ姫さま、リンクさまのこと毛嫌いしてるから雰囲気最悪だろうな…、
なんて考えて、まぁあれだけ父親からプレッシャーを与えられてたら周りに八つ当たりしちゃうくらいストレスもたまっちゃうんだろうな。と思い直す。
と、肩にかけた鉱石が入った袋をすっととられて、ダルケルを見ると、彼はそのままその場にしゃがんで続けた。
「まぁ、馬宿まで送るからよ。ほら、いつもの。」
『あ…すみませんいつもいつも…ありがとうございます。』
「おう！いいってことよ！よっしゃ、いくか！」
彼の肩に腰を下ろすと、彼は硬い手をわたしの膝の辺りに置いて立ち上がった。
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おれんじ(プロフ) - リンクの口調もこだわりのひとつなので、そう言っていただけてとても嬉しいです…！！こちらこそ、素敵なコメントありがとうございます！たくさん読んでやってください(^^) (2022年8月17日 7時) (
レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
ナツメグ - リンクの口調がすごくしっくりきてめちゃくちゃ感動しました…！ゲームの中で喋っていないのに何故かとてもしっくりきたし、他のキャラクターの口調もゲームそのまんまで、テンションがすごく上がりました…！素晴らしい作品をありがとうございます！ (2022年8月14日 1時) (レス) @page14 id: 0329e434ac (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - 七竈さん» 嬉しいコメントありがとうございます！(^^)脳内再生嬉しいです！みんなとお喋りするつもりで楽しんでいってください(^^) (2022年5月10日 20時) (レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
七竈(プロフ) - キャラの口調がそのまま過ぎてキャラの声での脳内再生余裕で感動しました！ストーリーに惹き込まれてすっっっごく面白いです！！ (2022年5月10日 15時) (レス) @page50 id: 7180261b9c (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - まいまいさん» いやぁぁあ！めちゃくちゃ嬉しいです！読んでやってくださいませ！ (2021年3月19日 19時) (レス) id: 752c78450e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ | 作成日時：2020年8月30日 0時
