16話(前編) ページ28
『あっぢぃ〜………』
ダルケルからもらった削岩棒で思い切り勢いをつけてガンッと鉱床岩をつくと、砕けた岩の中から鮮やかな色の鉱石が黒い岩とともに転げ落ちてくる。
ここはデスマウンテン。そこら中にぐつぐつと燃えるマグマが点在しており、空中には真紅の火の粉が舞っている。
ゴロン族以外の民族には焼けるような熱でとても耐えられるものではないため、特別な服が必要だったりするがわたしは今日も薬に頼ってここへきている。
あんな石でできた鎧で体の半分以上を覆ったらわたしでは鉱石を集めることもままならないだろう。
岩の奥深くで眠っていたはずの鉱石はこの山のあまりの熱さからか温かくなってしまっている。
周りについた岩石のかけらを砕いて落とし、おおまかに綺麗になった鉱石を一つ一つ袋に入れながら薬を飲んでも頬を伝う汗を拭った。
ウルボザの故郷、ゲルドの街があるゲルド地方は一面に広大な砂漠が広がっており、夜は凍えるような寒さだが、それに相対して昼間はかなりの暑さになる。そこで必要になるのがヒンヤリ薬なのだが、デスマウンテンでは使えない。
この山のこの身を焦がす気温を表す言葉は暑さ、ではなく熱さ、なのだという。
その証拠と言ってはなんだが、木製のものは燃え上がってしまう恐ろしい場所だ。
デスマウンテンで使えるのは燃えず薬。これを飲めば体がこの山のようになるのを防ぐことが可能だ。
でも薬には人によって効きが大きく変わるものもある。
わたしはなぜかこの燃えず薬がかな〜り効きにくい。リンクなどはこの燃えず薬を飲めば効いている間は涼しい顔をして颯爽と仕事をこなす。が、わたしは薬を飲みながらでも2時間程度しか作業ができない。
登山道を行き来する時間を含めたらその時間は本当に少ないものだ。でもこの山には希少鉱床が他の山より遥かに多い。だから結局わたしはここに来てしまうのだった。
「うおぉ〜い！嬢ちゃん！」
山道の上の方から野太い声がして、虚ろな目で見上げるとダルケルが大きく手を振っている。
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おれんじ(プロフ) - リンクの口調もこだわりのひとつなので、そう言っていただけてとても嬉しいです…！！こちらこそ、素敵なコメントありがとうございます！たくさん読んでやってください(^^) (2022年8月17日 7時) (
レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
ナツメグ - リンクの口調がすごくしっくりきてめちゃくちゃ感動しました…！ゲームの中で喋っていないのに何故かとてもしっくりきたし、他のキャラクターの口調もゲームそのまんまで、テンションがすごく上がりました…！素晴らしい作品をありがとうございます！ (2022年8月14日 1時) (レス) @page14 id: 0329e434ac (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - 七竈さん» 嬉しいコメントありがとうございます！(^^)脳内再生嬉しいです！みんなとお喋りするつもりで楽しんでいってください(^^) (2022年5月10日 20時) (レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
七竈(プロフ) - キャラの口調がそのまま過ぎてキャラの声での脳内再生余裕で感動しました！ストーリーに惹き込まれてすっっっごく面白いです！！ (2022年5月10日 15時) (レス) @page50 id: 7180261b9c (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - まいまいさん» いやぁぁあ！めちゃくちゃ嬉しいです！読んでやってくださいませ！ (2021年3月19日 19時) (レス) id: 752c78450e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ | 作成日時：2020年8月30日 0時
