2話(前編) ページ3
川の近くは木で覆われていて、服を脱いで洗うには丁度いい。
「…、やっぱりAって、そういうとこわりとさっぱりしてるんだねぇ…。」
さっと履いていたズボンを脱いで自分の服と布についてしまった卵を洗い流そうとかがみこんだわたしに、ウルボザはなぜか自分が服を脱いでいるかのようにキョロキョロと辺りを見渡した。
『…ああ、大丈夫ですよ、ウルボザさまのお身体を隠すための布もテントから取ってきてますから。はい、これを。』
「あ…！ありがとう、助かるよ。」
心底安心そうに微笑むウルボザに普段とのギャップを感じて少しキュンとつつも、わたしが汚してしまった
服を受け取る。
ウルボザはおそらくミファーと負けないくらい乙女だ。ゲルド族に生まれた女の宿命とも言えるだろう。
それにしてもどうしよう、今日でもうお城に帰るつもりだったから私もウルボザさまも着替えがないな、わたしは昨日着た服でもいいけど、ウルボザさまに同じようにさせるわけにはいかないし、適当な枝を集めて焚き火でもしようか…、
「あ、ああそうだ、A。」
『はい？』
「朝の食料集め、今日はそんなに早くなかったみたいだけど、いつもはもっと早くおきて薬の材料とかも採ってるらしいじゃないか。」
ぼんやりと考え事をしていたのに、そう言われて慌てて振り返った。
『え''、どうして知ってるんですか。』
「やっぱり最近はマモノがやたらと活発になってきてみんなそれなりに警戒してるからね。意外と目が覚めちまうもんなのさ。」
ウルボザは布をギュッと羽織りなおして続けた。身体はハイリア人の平均男性よりはるかに引き締まっているが、さらりと長い指は女性的でそれとは違った美しさがある。
「アンタ、体が弱いんだから。無理しちゃあいけないよ。みんな心配してるんだ。」
彼女はわたしを見据えてそういうと、ふと微笑んだ。
いつもなら笑い返せる筈なのに上手く口角が上に上がらなくて、わたしはつい俯いてしまう。
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おれんじ(プロフ) - リンクの口調もこだわりのひとつなので、そう言っていただけてとても嬉しいです…！！こちらこそ、素敵なコメントありがとうございます！たくさん読んでやってください(^^) (2022年8月17日 7時) (
レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
ナツメグ - リンクの口調がすごくしっくりきてめちゃくちゃ感動しました…！ゲームの中で喋っていないのに何故かとてもしっくりきたし、他のキャラクターの口調もゲームそのまんまで、テンションがすごく上がりました…！素晴らしい作品をありがとうございます！ (2022年8月14日 1時) (レス) @page14 id: 0329e434ac (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - 七竈さん» 嬉しいコメントありがとうございます！(^^)脳内再生嬉しいです！みんなとお喋りするつもりで楽しんでいってください(^^) (2022年5月10日 20時) (レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
七竈(プロフ) - キャラの口調がそのまま過ぎてキャラの声での脳内再生余裕で感動しました！ストーリーに惹き込まれてすっっっごく面白いです！！ (2022年5月10日 15時) (レス) @page50 id: 7180261b9c (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - まいまいさん» いやぁぁあ！めちゃくちゃ嬉しいです！読んでやってくださいませ！ (2021年3月19日 19時) (レス) id: 752c78450e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ | 作成日時：2020年8月30日 0時
