7話 ページ13
午後3時。青々とした草原に凛々しい馬にまたがった青年が空を見上げている。
それをみてわたしは慌てて駆け寄っていった。
リンクはそれに気付いて馬を私の方に向ける。
『…、今日はよろしくね、…2人も乗せて平気かな？』
「エポナは強いから大丈夫だよ。」
エポナに訊ねたつもりだったのだが、リンクがそう答える。顔を上げると彼に微笑まれて恥ずかしくなり、目を伏せた。
顎をワシワシとかいてやると心地良さそうにぶるるる、と鳴く。持ってきたニンジンを口元に持っていくと、ふんふん、と匂いを嗅いで齧り付いた。
と、リンクが私が持ってきたリュックサックを訝しげにみているのに気付く。
『あ…気になりますか？一応ヘブラ地方に向かうならポカポカ薬がいるかなぁと思って…でも念のためヒンヤリ系も…あと回復薬もいちこうあれもこれもと思ったらまぁまぁな量になってしまって…』
一応玉に変えてるので軽いですよ！と続けるが、リンクはなにを考えているのか真顔で、なんと続けていいかわからなくて困ってしまう。
「…乗れる？」
急にそう聞かれて一瞬間が開いてしまったが、
慌てて頭の中でアンサーを探した。
簡単なことなのに焦りすぎて短い間で頭の中がお祭り騒ぎになってしまう。
『あ、乗馬自体は経験があるんですけど、二人乗りは小さい頃に前に抱えてもらうようにして乗せてもらっていたことしかないです…。』
「分かった。手綱は俺が取るから乗って。」
『いっ？！いやいや！！いいです！！後ろに乗らせてください！！』
リンクがほら乗れと言わんばかりに自分の足の間をトントンと叩くもんだから思わず大照れして必要以上に拒否してしまうが、鈍いのかリンクは頭の上に大きな？を浮かべている。
「じゃあ、はい。」
そう右腕を差し伸べられてすこし躊躇いながらもその手を取ると、ぐいと力強く引っ張られる。
よろけそうになる体を支えてもらいながらもなんとなく定位置を決めると、エポナはゆっくりと前に進み出した。
ポカポカと温かい日差しが心地よいが、久々の乗馬に背中にダメージが蓄積されているのを感じる。
「背中に捕まって。」
鞍を必死になって掴んでいるのがバレているのか、そう言われて恐る恐るリンクの服を握る。照れる。こんな至近距離で憧れの人と。無理すぎる。
前途多難だなぁ。なんて思いながらまだ先の長い道をリンクの肩から見やった。
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おれんじ(プロフ) - リンクの口調もこだわりのひとつなので、そう言っていただけてとても嬉しいです…！！こちらこそ、素敵なコメントありがとうございます！たくさん読んでやってください(^^) (2022年8月17日 7時) (
レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
ナツメグ - リンクの口調がすごくしっくりきてめちゃくちゃ感動しました…！ゲームの中で喋っていないのに何故かとてもしっくりきたし、他のキャラクターの口調もゲームそのまんまで、テンションがすごく上がりました…！素晴らしい作品をありがとうございます！ (2022年8月14日 1時) (レス) @page14 id: 0329e434ac (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - 七竈さん» 嬉しいコメントありがとうございます！(^^)脳内再生嬉しいです！みんなとお喋りするつもりで楽しんでいってください(^^) (2022年5月10日 20時) (レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
七竈(プロフ) - キャラの口調がそのまま過ぎてキャラの声での脳内再生余裕で感動しました！ストーリーに惹き込まれてすっっっごく面白いです！！ (2022年5月10日 15時) (レス) @page50 id: 7180261b9c (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - まいまいさん» いやぁぁあ！めちゃくちゃ嬉しいです！読んでやってくださいませ！ (2021年3月19日 19時) (レス) id: 752c78450e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ | 作成日時：2020年8月30日 0時
