5話(回想) ページ11
ｻﾞﾜｻﾞﾜ キャ〜！ﾀﾞﾙｹﾙ様〜！
ｾﾞﾙﾀﾞ姫〜 ｻﾞﾜｻﾞﾜ
ｻﾞﾜｻﾞﾜ ﾐﾌｧ-サマ！
『あっ、すみません！』
「いえ…。」
ｻﾞﾜｻﾞﾜ えっ、あれって…！ ｻﾞﾜｻﾞﾜ
ｷｬｰﾘﾝｸ様〜！！
ｻﾞﾜｻﾞﾜ ｳｿｯこんな近くに！
ｻﾞﾜｻﾞﾜ 誰？ ｻﾞﾜｻﾞﾜ あっAちゃん
周りがうるさいわ薬はぶち撒かれるわでもはや不愉快でしかない。さっさと片付けて今日はもう家で大人しくしておこう。こういうイベントごとの時はどこの国も同じだな。
と一気にイライラを募らせながらもこの状況で唯一の救いである目の前の人が黙々と瓶を拾ってくれているのをみて、あわてて駆け寄る。
『すみませんありがとうございま…』
６つか7つほど瓶を腕に抱えたその人が振り返ってその青い瞳がわたしを見たとき、時が止まったかのようにまわりの音が聞こえなくなった。
嵐の前の海のように、静かだけど気高さをもった澄んだ青だ。
その金髪が風になびく。
何かを思い出しそうで思い出せないような感覚。この人のために何かをしなければいけない。助けなくちゃいけないと直感的に感じた。
気づけば周りには私たちを囲うような人だかりができており、わたしは慌てて立ち上がる。
『え、なにこれ…』
「…、…あの、これを。」
正面の彼もなぜかわたしと同じように呆然としていたように見えた。が、周りの雰囲気に気がついてハッとしたように薬をわたしに手渡すとそのまま背を向けた。
さっきまであんなに忙しなく人が行き交って人の間を縫うのも一苦労だったはずなのに、なぜか人々は彼の行く手を阻まないように道を自然と開けた。
彼はそのまますこし駆け足で機械に近づくとたやすく登っていく。そうすることが当たり前かのようにゼルダの横にいくと、ゼルダは驚いたように私と彼を交互に見比べた。彼は一歩引いたところでなにやらそんなゼルダに話をしている様子だ。
本当にみんな黙り込んでいたのか…、それともわたしだけそう感じていただけなのかは分からないが、気がつけば街は先ほどと同じようにうるさいくらいの賑やかさを取り戻している。
金髪の彼はまたこちらを振り返ったが、まるでなにもなかったかのように進行方向を向いた。
わたしはそんな彼の後ろ姿をただぼうっとみていた。
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おれんじ(プロフ) - リンクの口調もこだわりのひとつなので、そう言っていただけてとても嬉しいです…！！こちらこそ、素敵なコメントありがとうございます！たくさん読んでやってください(^^) (2022年8月17日 7時) (
レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
ナツメグ - リンクの口調がすごくしっくりきてめちゃくちゃ感動しました…！ゲームの中で喋っていないのに何故かとてもしっくりきたし、他のキャラクターの口調もゲームそのまんまで、テンションがすごく上がりました…！素晴らしい作品をありがとうございます！ (2022年8月14日 1時) (レス) @page14 id: 0329e434ac (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - 七竈さん» 嬉しいコメントありがとうございます！(^^)脳内再生嬉しいです！みんなとお喋りするつもりで楽しんでいってください(^^) (2022年5月10日 20時) (レス) id: 6890ebcbdc (このIDを非表示/違反報告)
七竈(プロフ) - キャラの口調がそのまま過ぎてキャラの声での脳内再生余裕で感動しました！ストーリーに惹き込まれてすっっっごく面白いです！！ (2022年5月10日 15時) (レス) @page50 id: 7180261b9c (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - まいまいさん» いやぁぁあ！めちゃくちゃ嬉しいです！読んでやってくださいませ！ (2021年3月19日 19時) (レス) id: 752c78450e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ | 作成日時：2020年8月30日 0時
