°◇密恋モーメント◇°《Kazu》-after ward- (ページ38)

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°◇.誕生日ページ38

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あれは、6月。

雨音が耳を掠め始めて、間もなく天気予報士のお姉さんが梅雨入りを宣言しそうな時だった。

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居酒屋『よしだ』とフォークで食べるロールケーキが有名な某コンビニのWワークを終えた私は、

冷蔵庫にあった有り合わせで作ったチャーハンとおすいものをテレビを観ながら食べていた。

｢今日は嵐さんの番組無いんだっけ…｣

番組表を開き、そんなことを呟けば、私も梨花と同じ、あなたのグループのファンの1人のようになっていて。

ちょっと前までジャニーズとか…そういう分野に疎かった自分とは思えない変化に、思わず苦笑い。

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データセーバーをONにしていたからか、LINEの通知音が遅れて鳴り響く。

和さんは今日は遅くまで仕事があるから、恐らく違う。…誰だろ。梨花？

お箸から手を離し、『新着メッセージがあります。』の通知をタップすると…予想外の送り主だった。

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『ウサギちゃん、こんばんは！相葉です！！』

｢…、相葉さん？｣

以前、お鍋パーティー…もとい、嵐さんとの密会で他のメンバー4人と連絡先を交換したことを思い出す。

和さんまでとはいかないけど、ちょこちょこ話してはいたんだよね。でも、最近は多忙であんまりやり取りはしてなくて。

私は突然の嵐さんの元気印と呼ばれる彼からの連絡に戸惑いながらも、ポチポチとキーボードを打つ。

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『相葉さん、こんばんは。お疲れ様です。』

案の定、すぐに既読マークが付く。…相葉さんはもうお仕事無いのかな？

雅紀『お疲れ様！ニノと松潤はまだ仕事なんだけど、この2人以外は終わったんだ。だから俺も今日は家！』

私の疑問を察するかのように、相葉さんが返信する。…エスパーみたいで少し怖い(笑)

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雅紀『あのねウサギちゃん、6月17日って何の日か分かる？なんて、分かるに決まってるよね(笑)』

｢…6月17日…、…！｣

もちろん、知ってる。…あなたにとって、1年に1度の大切な日を、忘れる訳がない。

『和さんの、誕生日ですよね？』

雅紀『ピンポーン！もう日が近いでしょ？そこで俺から提案があるのです。』

『…、提案ですか？』

雅紀『うん！』

含み笑いをしたウサギのスタンプと共に、相葉さんから新しい吹き出し。

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雅紀『“俺達”と一緒に、ニノの誕生日会しない？』

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ーー……ノンアル缶に伸ばした手が、ピタリと止まった。

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