°◇密恋モーメント◇°《Kazu》-after ward- (ページ33)

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和也｢ねぇ、ヨッシー。｣

＊｢おう？｣

和也｢誕生日プレゼントにホッカイロってありだと思う？｣

＊｢…、は？｣

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閉店後、俺は1階の明かりを消して戸締まりを終え、

2階にある畳部屋にて也の接待をしていた。

也がいつも頼むのは、味噌ラーメンと餃子。今日はチューハイも追加で注文をもらった。

…え？居酒屋なのに何でラーメンだって？

それはあれだ、……俺の好きな食べ物の1つにラーメンが入ってるから。…ごめんなさい、冗談です。

他の居酒屋とは違いを出したいっていう、単なる対抗心です。

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和也｢…、ヨッシー。何、1人でブツブツ言ってんの？しかも百面相まで。｣

どうやら俺の心の声が漏れていたらしい。…也が怪訝そうに皺を寄せる。

＊｢悪い悪い。ちょっと自分の世界に入っちまった。｣

和也｢別に良いよ？帰って来なくても。ワタシはいくらでも1人で飲むんで。｣

＊｢、おまっ｣

和也｢ふはっ、嘘だってば(笑)｣

“今日はもう仕事終わったんでしょ？ほら。”、クスクスと笑いながら也が俺にグラスを要求する。

俺はいつまでたっても口で勝てない彼から、サワーが入ったグラスを受け取る。

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＊｢…で？さっきのホッカイロの話。宇佐見ちゃんだろ。｣

グビッ、と喉へアルコールを流し込みつつ、話題を変える。

和也｢あら、よくお分かりで。｣

＊｢この前、言ってたの思い出した。宇佐見ちゃんとここで会うようになったきっかけなんだって。｣

和也｢…そうだっけ？｣

＊｢(笑)…そりゃ覚えてないわな。結構、酔ってたし、あん時。｣

それほど彼女との出会いが嬉しかったんだろうと、…耳まで真っ赤にして話す彼を脳裏に浮かべる。

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彼がグラスをテーブルに置く。

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和也｢…、俺、正直、まだ分かんないんだよね。あの子をどう思ってんのか。｣

＊｢…｣

和也｢面白いリアクションをするっていうただの興味か、…その他か。｣

“その他”という言葉を心無しか強く言って瞳を閉じ…また、開いて彼が語る。

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和也｢だから…会う約束を取り付けた。会って話せば…この気持ちが何なのか分かる気がしたから。｣

“…俺、可笑しいかな？”

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どこか弱気に問いかける也に俺は

｢可笑しい可笑しくないかは…二の次だろ。お前がやりたいようにやればいい。…宇佐見ちゃんを泣かさねぇ程度にな。｣と返す。

彼はフッ、と笑った。

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