°◇密恋モーメント◇°《Kazu》-after ward- (ページ11)

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｢お邪魔します……｣

和也｢適当に座って。ソファーが良ければそこでも良いし。｣

“本当に必要最低限の物しか置いてないから、何も無いっていうね”

リビングに向かい、二宮さんが笑いながらフローリングに腰を下ろす。私は彼と同じ場所を選び、向かい合わせになるように座る。

｢…、あれ、温かいですね。ひんやりしてない…｣

和也｢あー、それ？俺、ソファーやベッドじゃなくてここでよく寝転んだりするんだよね。だから、冷たくならないようにしてもらったの。｣

｢こういうのもやっぱりお金とか掛かるんですか？｣

和也「まあ、ほんの少しはね？でも、そこまで莫大な費用じゃないよ。ウサギちゃんでもバイト代で支払える範囲内。｣

｢…少し小馬鹿にしてます？｣

和也｢してないわ！｣

｢受け止め方(笑)｣、そう言ってクフフっと片手で口を覆って笑みを零す二宮さん。

ダボッとしたボーダーの長袖が何とも似合ってて…不覚にもキュンとする。

雑誌やテレビでこんな姿を見せてたら、誰だって落ちちゃうだろうな…、なんて心の中で呟く。

ズキン。

……同時にどこかに痛みが走った。

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和也｢今日はごめんね。いきなり言って、俺の家まで来てもらっちゃって。｣

｢、いえ。全然大丈夫です。ちょうど何しようって考えてたので。｣

私がこう応えると二宮さんは一瞬、顔を曇らせて。

どうしたんだろう、と思うのもつかの間、表情を元に戻す。

和也｢本当はどっか出掛けるのも考えたんだけど、外だとどうしても人目を気にしちゃうじゃない？

なら、こうやって2人きりになれる方が良いかなって思ってさ。｣

｢そうですね、確かにこっちの方が話しやすいです。…｣

和也｢でしょ？断じて俺が家から出たくない理由だけじゃないんだから。分かってよ？｣

「…“だけ”…ってことは」

和也｢はい、そこで感ずかなーい！(笑)｣

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「じゃ、早速やりますか。」、二宮さんが私に1つの機械を手渡す。

見る限り、手元にあるのは十字ボタンやA、Bボタンが付いてるコントローラー。

｢…二宮さん、これは…もしかして｣

和也｢そ。…その“もしかして”｣

あなたがニッコリ、微笑む。

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和也｢一緒に対戦、しよ？｣

ーーー…これが本物。“ゲーマー・二宮和也”だ。

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